「常滑おやこ劇場」での「とっておきの思い出話（３）」

活動を支えた事務局

　独立し、準備会の時にはまだまだ組織や体制が整っていませんでした。とにかく会員集めと準備例会、自主活動を行うことで精一杯でした。そんな中、いつもながら冷静に手綱を締めているのが事務局だったと思っています。事務所もまだ定まっていない時には自宅の電話を窓口にして各方面からの連絡の受け答えをしてもらっていたのでした。

　Ｋさんの厚意で祖父母の仕事場の二階（エスポア西・コンビニの駐車場辺り）を無償で貸していただきました。そこに念願の事務所を開き、会議もできる場となりました。電話を設置したのですが、事務局員を雇う余力もなく、運営員が交代で事務処理をしたり外部からの問い合わせを受けたりしていました。

　創立後、会員の動向も見定め、雀の涙ほどの給料でしたが、事務や経理を執る事務局員を雇い入れ、事務局長と月?金曜日に詰めてもらったのです。これによって運営委員の活動も無理なく行えるようになり次第に活動が組織的になってきたのでした。

身を退く潮時

　昭和57年4月。人事異動で常滑西小学校から小鈴谷小学校に転勤しました。この期に、私は一会員として運営委員を辞したのです。自転車通勤だった私は、教員住宅から学校へは3㎞となり、学校から事務所まで8㎞、事務所から帰るのに5㎞の道程、これでは活動も無理であり、名前だけ残して古参面して時々会議に参加しても迷惑をかけるばかり…。丁度新旧交替の時期でもあると思って身を退いたのでした。

再び、常滑西小学校に

　小・中学校を15年間勤務し、帰ってきたのでした。

　おやこ劇場で育った子どもたちが親となり、PTA活動やおやこ劇場の運営に積極的に携わっている姿を見聞きして感慨無量でした。また、「先生、私のおばあちゃんたちとおやこ劇場を作ったんでしょう」と声をかけられることが多々あり、うれしくなりました。

教え子からの手紙から

　「常滑おやこ劇場の誕生秘話！たくさんの方々のご尽力があって「生」の舞台を私たちが観ることができたのですね。私の趣味は「舞台鑑賞」ですが、思えば、おやこ劇場が原点だったかもしれません。今では大きな舞台から無名の劇団のものなど楽しんでおります。これからもいろんな作品に触れて豊かな人生にしたいと思っています。」