スコットランド クレイル(Scotland Crail)
2019年の10月、まさか次の年には世界中がコロナ禍になるとは知らずスコットランドへスケッチ旅行に出かけました。
スコットランドは北海道よりうんと上の緯度になるのですが、典型的な西岸海洋性気候で、北大西洋海流(メキシコ湾流の延長)と偏西風の影響により、緯度の割に比較的穏やかなんだそうです。美しい秋の紅葉と風情ある建物。そんな私の勝手な妄想を打ち砕く厳しいスケッチ旅行になったのでした。
まずスコットランドに行こうという人は5月から8月、これがベストシーズンです。冬から春は雪と氷に閉ざさされ、日照時間が短く、暗くて長い夜が続くのです。事前にある程度の下調べはするものの、実際に現地に立つと、寒さが違いました。10月だというのに町の人々は分厚いダウンジャケットを着て歩いています。朝夕の冷え込みは湿気がある分相当堪えました。一日のうちに四季があるといわれる所以です。
さて、クレイルという町はゴルフをやる人ならセントアンドリュースという地名を一度は聞いたことがあるかと思います。ゴルフ発祥の地であり、世界屈指のゴルフコースが7つもあります(地図)。クレイルはそこから18㎞南にあるファイフ国の港町です。ひなびた漁村でしたがその美しさが近年インスタなどで人気を呼び観光バスが立ち寄るようになりました。
私たちが1週間滞在したのは、かつてのファイフ王国の領主が住んでいた城、と言っても2階建ての古い館を改装して4軒の貸別荘に改築したところを借りました。インテリアや調度品は歴史を感じるもので大変美しかったです(写真①)。もうシーズンオフということもあり、私たちのほかには階下に老夫婦が滞在していただけでした。
ここで海外に出かけるといつも思うことがあります。海外の人の休暇の取り方を見ていると日本人と違うなとつくづく感じます。例えばキャンピングカーで田舎を回って湖のほとりで森林浴をしたり釣りをしたり本を読んだり自然と向き合って自分の心をリセットするような、そんな休暇の過ごし方をしてるように見えます。日本人は限られた休暇の中でいかにたくさんの観光地を巡り、たくさんの経験をしてお金を使ってお土産を買い、おいしいものをたくさん食べるそんな旅をしているように見えます。海外の人はそんなにたくさんお金を使いません。でもとても豊かに過ごしているように見えるのは何故でしょうか?個人の価値観が違うんだと思います。階下に滞在していた老夫婦もゆっくり散歩したり、広い庭で海を見ながら読書したりして過ごされていました。あんな風に年を取りたいと思えるような穏やかなご夫婦でした。
私たちは10月に行ったのですが、日の出が遅くて師匠などはいつもは6朝に起きると扉を開けて出て行っていなかったのですが、さすがにスコットランドは霧が深くて曇っていてそして雨も突然降ってきます。朝7時半過ぎないと辺りも明るくなって来ませんのでこの時期はだめだとあきらめていました。
9時からやっとウィンドブレーカーに傘、大型のビニール袋に画板を入れて突然の雨に備えながらスケッチに出かけます。人口は1,600人ほど。すり鉢状になった湾には遠くオランダへの貿易が中世の時代盛んでしたので影響を残すオランダのオレンジ色の屋根、そして白い壁、イギリス独特の強固な石壁の建物が狭い地域に並んでいて青い海と映えて美しい光景です。こじんまりとした港町なのですが、夏にはロブスターが取れロブスターの網が港のそこかしこに置いてありました(写真②、③)。日本人が珍しいのか南ヨーロッパでは気さくな人たちもイギリス人はシャイで、まず話しかけて来ません。この美しい港町は多くの画家たちが絵にしています。画家がいても「また絵を描きに来てるな」くらいに思っているのでしょうね。
しかし雨には泣かされました。イギリスは雨が多いと聞いていましたがそれは本当で来る日も来る日も曇りか雨晴れた日は1週間位でたった2日しかありませんでした。クレイルでは雨が降ると何もできないので、そんな時はレンタカーで近隣の観光スポットへ出かけました。先に出てきたセントアンドリュースは世界遺産でもあり大きなショッピング街もあって楽しめました(写真④)。雨の中、断崖絶壁の建築物 ダノダー城も行きました(写真⑤)。
スコットランドの食べ物は日本と同じ軟水で作られているので何を食べても口にあいました。イングランドは紅茶ですが、スコットランドにはどこに行ってもカフェがあってコーヒー党の私は助かりました。
たくさんの国や地域に行って旅をしている私ですが、雨も多く暗いこの国はなぜだかまた来たいと思うのです。
ちょうどこの新聞が発行される頃自選展が開催中です。
水野伊津子自選展 8月30日~ 9月4日 ノリタケの森ギャラリー(ポスター)
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スコットランド クレイル(Scotland Crail)
2019年の10月、まさか次の年には世界中がコロナ禍になるとは知らずスコットランドへスケッチ旅行に出かけました。
スコットランドは北海道よりうんと上の緯度になるのですが、典型的な西岸海洋性気候で、北大西洋海流(メキシコ湾流の延長)と偏西風の影響により、緯度の割に比較的穏やかなんだそうです。美しい秋の紅葉と風情ある建物。そんな私の勝手な妄想を打ち砕く厳しいスケッチ旅行になったのでした。
まずスコットランドに行こうという人は5月から8月、これがベストシーズンです。冬から春は雪と氷に閉ざさされ、日照時間が短く、暗くて長い夜が続くのです。事前にある程度の下調べはするものの、実際に現地に立つと、寒さが違いました。10月だというのに町の人々は分厚いダウンジャケットを着て歩いています。朝夕の冷え込みは湿気がある分相当堪えました。一日のうちに四季があるといわれる所以です。
さて、クレイルという町はゴルフをやる人ならセントアンドリュースという地名を一度は聞いたことがあるかと思います。ゴルフ発祥の地であり、世界屈指のゴルフコースが7つもあります(地図)。クレイルはそこから18㎞南にあるファイフ国の港町です。ひなびた漁村でしたがその美しさが近年インスタなどで人気を呼び観光バスが立ち寄るようになりました。
私たちが1週間滞在したのは、かつてのファイフ王国の領主が住んでいた城、と言っても2階建ての古い館を改装して4軒の貸別荘に改築したところを借りました。インテリアや調度品は歴史を感じるもので大変美しかったです(写真①)。もうシーズンオフということもあり、私たちのほかには階下に老夫婦が滞在していただけでした。
ここで海外に出かけるといつも思うことがあります。海外の人の休暇の取り方を見ていると日本人と違うなとつくづく感じます。例えばキャンピングカーで田舎を回って湖のほとりで森林浴をしたり釣りをしたり本を読んだり自然と向き合って自分の心をリセットするような、そんな休暇の過ごし方をしてるように見えます。日本人は限られた休暇の中でいかにたくさんの観光地を巡り、たくさんの経験をしてお金を使ってお土産を買い、おいしいものをたくさん食べるそんな旅をしているように見えます。海外の人はそんなにたくさんお金を使いません。でもとても豊かに過ごしているように見えるのは何故でしょうか?個人の価値観が違うんだと思います。階下に滞在していた老夫婦もゆっくり散歩したり、広い庭で海を見ながら読書したりして過ごされていました。あんな風に年を取りたいと思えるような穏やかなご夫婦でした。
私たちは10月に行ったのですが、日の出が遅くて師匠などはいつもは6朝に起きると扉を開けて出て行っていなかったのですが、さすがにスコットランドは霧が深くて曇っていてそして雨も突然降ってきます。朝7時半過ぎないと辺りも明るくなって来ませんのでこの時期はだめだとあきらめていました。
9時からやっとウィンドブレーカーに傘、大型のビニール袋に画板を入れて突然の雨に備えながらスケッチに出かけます。人口は1,600人ほど。すり鉢状になった湾には遠くオランダへの貿易が中世の時代盛んでしたので影響を残すオランダのオレンジ色の屋根、そして白い壁、イギリス独特の強固な石壁の建物が狭い地域に並んでいて青い海と映えて美しい光景です。こじんまりとした港町なのですが、夏にはロブスターが取れロブスターの網が港のそこかしこに置いてありました(写真②、③)。日本人が珍しいのか南ヨーロッパでは気さくな人たちもイギリス人はシャイで、まず話しかけて来ません。この美しい港町は多くの画家たちが絵にしています。画家がいても「また絵を描きに来てるな」くらいに思っているのでしょうね。
しかし雨には泣かされました。イギリスは雨が多いと聞いていましたがそれは本当で来る日も来る日も曇りか雨晴れた日は1週間位でたった2日しかありませんでした。クレイルでは雨が降ると何もできないので、そんな時はレンタカーで近隣の観光スポットへ出かけました。先に出てきたセントアンドリュースは世界遺産でもあり大きなショッピング街もあって楽しめました(写真④)。雨の中、断崖絶壁の建築物 ダノダー城も行きました(写真⑤)。
スコットランドの食べ物は日本と同じ軟水で作られているので何を食べても口にあいました。イングランドは紅茶ですが、スコットランドにはどこに行ってもカフェがあってコーヒー党の私は助かりました。
たくさんの国や地域に行って旅をしている私ですが、雨も多く暗いこの国はなぜだかまた来たいと思うのです。
ちょうどこの新聞が発行される頃自選展が開催中です。
水野伊津子自選展 8月30日~ 9月4日 ノリタケの森ギャラリー(ポスター)