春はなんといっても野草。近所でのツクシ、セリ、ノビル、フキノトウ、ツワブキ、ヨモギ、ミツバ、タンポポ、ワラビ、山ウドを採りに行った時のアザミ、ワサビ、コシアブラ、ニリンソウ、ヤブカンゾウ、頂き物でタラの芽、ウルイなど、とても幸せだ。

　去年は、セイタカアワダチソウの初めての天ぷら、びっくりするくらい美味しかった。また、ヨモギは生えている場所によって天ぷらにしたときの泥臭さが全く異なることを体験した。　何気なくネットを見ていたら、アカシアの花を天ぷらにする記事を見つけた。東信地方（小諸、上田周辺）で食べられているという。また、イタリアやフランスでも食べられているようだ。アカシアとはニセアカシアのことで、アカシアのはちみつが有名だ。ところが、樹皮、葉、実には毒があるというではないか‥。とにかく、アカシアの花を採りに行った。洗って天ぷらにした。だが、毒があるということでよぎったのが、新型コロナワクチンはかつてＴＶなどで「日本人での試験が不十分なので、打つのが不安」という報道（実際には試験済み）。確かに、新薬の国内導入においては、地域とか民族的要因について、日本人でどうかということを証明する。

　だとすると‥、イタリア人やフランス人、かつての『信濃国』の人、それらの人で問題が無くても、私は『尾張国』。地域も民族も違うのだとジョークっぽく捉えた。食しても大丈夫か？新薬開発の際の毒性試験の流れをマネて確かめてみよう、という冗談めいたことを思いついた。

　で‥、揚げ上がったアカシアの花の房から、まず３個の花を摘み、食べてみた。１時間位じ～っと。体調に変化なし。２回目は、１回目の２倍の６個。１時間後問題なし。３回目は２回目の更に２倍の１２個の花を食べ、１時間、問題なし。‥ついに、やっと天ぷらにしたアカシアの房を丸ごと頬張ることができた。ほのかな良い香りだ。春過ぎて、初夏のはしりが清々しい。

伊藤　明德

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