この紀行文が発行される頃は年が明けて2021年になっています。

 2020年12月現在、コロナ禍は終息を迎えるどころか世界中に第3波の流行が襲ってきて主要都市はロックダウンかそれに近い政策をとらざる得ない状況です。そんな状況下では、来年のスケッチ旅行の予定も立てられず、健康に安全に日々を過ごし、早い終息を願うしかないです。

 そんなわけで過去のスケッチ旅行を振り返って紹介します。

 

心に残った美しい小さな村

①アルバラシン(Albarracin)はスペインのアラゴン州テルエル県の小さな中世の村。スペインの美しい村といえば、南のアンダルシアの白い村が有名ですが、この地方は赤~ピンクの建物が多く中世の雰囲気の残る村々が点在しています。その中でもアルバラシンは、標高1,200mの高地に位置し中東部の人口1,000人程度の川沿いの山間の村で「スペインで最も美しい村」と呼ばれることもあります。有名な建築があるわけでも、大勢が見に来る名画があるわけでもないひなびた村ですが、絵を描く人なら足を踏み入れた途端、魅了されることでしょう。

 曲がりくねった坂道に木造の古い建築は出窓があったり傾いていたりして、小さな路地の空間を面白い形に切り抜いています。街中のすべての建物は近郊のサントクリストの石切り場からとれる赤石膏によるもので塗られていてどこを向いても絵になる景色が広がる魅力的な村。

 頭にALがつくのはアラブ時代の名残です。度重なる戦いの歴史からキリスト教支配となる間に強固な城壁 カテドラルなどが作られていきました。イスラム教ユダヤ教キリスト教が時に共存し時に争ったことで世界に類を見ない唯一無二の景観を生み出しています。

 ここを訪問したのは16年前でした。絵を描くグループが来たと村中で噂が走り、子供たちやおじいちゃんおばあちゃんがあとからあとから話しかけてきました。なんとも素朴な田舎といった風情でしたが、有名旅行雑誌に紹介されるとあれよあれよという間に立派な観光地になってしまい、ホテルもたくさんでき、土産物屋が並び、大型観光バスも入るようになったようです。

 

グルメ

 スペインでは、シェスタ(昼休憩)の習慣があるので夜が遅くて、たいてい夜8時半くらいから夕ご飯です。昼間はサンドイッチなどをもって食べ歩きながらスケッチするので、夕方日が落ちて、遅い夕食はバル(bar)と呼ばれる小皿料理のお店でした。

 ここでは人生で初めて、山羊のステーキとウサギのローストを食べました。山間部ではジビエが多いです。新鮮なサラダはお目にかかれません。山羊のチーズやイベリコ豚の燻製がごちそうです。味付けはシンプル、オリーブオイルに塩コショウそしてローズマリーなどのハーブ、あとはワインです。グループの女性たちも飲むは飲むは。飲めない私は、レモネード。

 

自然

 ここに到着するのに、ガイドが不慣れでナビの設定を最短距離で設定してあったらしく、とんでもない山越えをしたのです。舗装されてない山道を行くと、山羊飼いのおじさんに道をふさがれたり、ぐるぐるヘヤピンカーブの連続だったり、散々な道中でした。しかし、高地の植物は美しかった。ハーブが雑草のように生えています。ゼラニウム、カモミール、西洋ノコギリソウ、西洋アザミ、そしてどこにでも生えている真っ赤なケシ、スペインではアマポーラと呼ばれています。素敵な名前です。

 

 アルバラシンに入る前に取材した世界遺産の都市トレドのサント・トメ教会には有名なエル・グレコの「オルガス伯の埋葬」があります。

 アーチ形に描かれた絵は半分に天上と地上に分かれた世界。悲しみに暮れる参列者、死者を支える二人の年齢差がわかります。細長い顔が縦長構図よくはまっています。画集で見るのとは違い、緻密な筆さばきまで見られ大きさに圧倒されます。

 

Copyright©2003-2017 Akai Newspaper dealer

プライバシーポリシー

あかい新聞店・常滑店

新聞■折込広告取扱■求人情報■ちたろまん■中部国際空港配送業務

電話:0569-35-2861

 

あかい新聞店・武豊店

電話:0569-72-0356

あかい新聞店・常滑店

新聞■折込広告取扱■求人情報■ちたろまん■中部国際空港配送業務

電話:0569-35-2861

あかい新聞店・武豊店

電話:0569-72-0356

 

Copyright©2003-2017 Akai Newspaper dealer

プライバシーポリシー

 この紀行文が発行される頃は年が明けて2021年になっています。

 2020年12月現在、コロナ禍は終息を迎えるどころか世界中に第3波の流行が襲ってきて主要都市はロックダウンかそれに近い政策をとらざる得ない状況です。そんな状況下では、来年のスケッチ旅行の予定も立てられず、健康に安全に日々を過ごし、早い終息を願うしかないです。

 そんなわけで過去のスケッチ旅行を振り返って紹介します。

 

心に残った美しい小さな村

①アルバラシン(Albarracin)はスペインのアラゴン州テルエル県の小さな中世の村。スペインの美しい村といえば、南のアンダルシアの白い村が有名ですが、この地方は赤~ピンクの建物が多く中世の雰囲気の残る村々が点在しています。その中でもアルバラシンは、標高1,200mの高地に位置し中東部の人口1,000人程度の川沿いの山間の村で「スペインで最も美しい村」と呼ばれることもあります。有名な建築があるわけでも、大勢が見に来る名画があるわけでもないひなびた村ですが、絵を描く人なら足を踏み入れた途端、魅了されることでしょう。

 曲がりくねった坂道に木造の古い建築は出窓があったり傾いていたりして、小さな路地の空間を面白い形に切り抜いています。街中のすべての建物は近郊のサントクリストの石切り場からとれる赤石膏によるもので塗られていてどこを向いても絵になる景色が広がる魅力的な村。

 頭にALがつくのはアラブ時代の名残です。度重なる戦いの歴史からキリスト教支配となる間に強固な城壁 カテドラルなどが作られていきました。イスラム教ユダヤ教キリスト教が時に共存し時に争ったことで世界に類を見ない唯一無二の景観を生み出しています。

 ここを訪問したのは16年前でした。絵を描くグループが来たと村中で噂が走り、子供たちやおじいちゃんおばあちゃんがあとからあとから話しかけてきました。なんとも素朴な田舎といった風情でしたが、有名旅行雑誌に紹介されるとあれよあれよという間に立派な観光地になってしまい、ホテルもたくさんでき、土産物屋が並び、大型観光バスも入るようになったようです。

 

グルメ

 スペインでは、シェスタ(昼休憩)の習慣があるので夜が遅くて、たいてい夜8時半くらいから夕ご飯です。昼間はサンドイッチなどをもって食べ歩きながらスケッチするので、夕方日が落ちて、遅い夕食はバル(bar)と呼ばれる小皿料理のお店でした。

 ここでは人生で初めて、山羊のステーキとウサギのローストを食べました。山間部ではジビエが多いです。新鮮なサラダはお目にかかれません。山羊のチーズやイベリコ豚の燻製がごちそうです。味付けはシンプル、オリーブオイルに塩コショウそしてローズマリーなどのハーブ、あとはワインです。グループの女性たちも飲むは飲むは。飲めない私は、レモネード。

 

自然

 ここに到着するのに、ガイドが不慣れでナビの設定を最短距離で設定してあったらしく、とんでもない山越えをしたのです。舗装されてない山道を行くと、山羊飼いのおじさんに道をふさがれたり、ぐるぐるヘヤピンカーブの連続だったり、散々な道中でした。しかし、高地の植物は美しかった。ハーブが雑草のように生えています。ゼラニウム、カモミール、西洋ノコギリソウ、西洋アザミ、そしてどこにでも生えている真っ赤なケシ、スペインではアマポーラと呼ばれています。素敵な名前です。

 

 アルバラシンに入る前に取材した世界遺産の都市トレドのサント・トメ教会には有名なエル・グレコの「オルガス伯の埋葬」があります。

 アーチ形に描かれた絵は半分に天上と地上に分かれた世界。悲しみに暮れる参列者、死者を支える二人の年齢差がわかります。細長い顔が縦長構図よくはまっています。画集で見るのとは違い、緻密な筆さばきまで見られ大きさに圧倒されます。