東京の老舗洋食店のチキンライスのテレビ番組をなんとなく見ていた。

　具材が炒まったらフライパンを斜めにして端の方に寄せ上げ、その空けたスペースにケチャップを投入し数十秒間かき混ぜた。続いて端に追いやった具材と合わせ、ご飯を投入というもの。

　その後すっかり忘れていたが、妻との会話で、「具材と一緒でなく、ケチャップだけで火を通すのが印象的だった」と言ったら、「作ってよ～」。

　思い出しながら挑戦。結果、甘みが強くてスッパさが全く無く、その奥深い美味しさに妻と共に感動。

　調子に乗って「ナポリタンに応用したらどうなんだろうね」。すかさず「作ってよ～」。

　なぜスッパさがなくなるのかメーカーに訊いたが、分からないという。で、調べてみた。ケチャップ中の酢が熱で飛ぶことは予想出来ていたが、原料のトマトに含まれるクエン酸やリンゴ酸が加熱により減少するという情報が。理由は私には難しかった。

　疑問が残ったまま、チキンライスの作り方を自己流で深化させた『ナポリタン』。◆具材が炒まったら皿に取りだす◆ケチャップだけを思いっきり『炒って』『ねっとり』させる◆具材を戻し◆スパゲッティー投入。

　あらためて美味しさに感動。ケチャップだけでこんなにも深みが出るのかと。妻も。

　『ナポリタン』は昔何度も食べた時期があったがスッパくて好きになれず、以来食べることはなかった。が、今回の超絶の美味しさで『青春時代のスッパかった想い出』の『原因の半分』が上書きされた。ちなみにこの作り方、ケチャップのメーカーによる違いが想像以上に大。カ〇〇社以外は味が大ボケする様に思った。

　青春がスッパかった人、是非お試しあれ。

　そこのオトーサン！！青春時代を本当にやり直そうなどとは‥、ダメですゾ～。

伊藤　明德

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