No.002 日本再興の道

　日本はいつの間にか、三等国に成り下がっている。要因はいろいろ考えられるが、最大の要因は人口減であろう。人口は鎌倉時代の７５７万人から徐々に増え、明治維新のころは３，３３０万人になった。先進国の仲間入りを目指し、富国強兵を推し進め、産めよ、増やせという号令の下、日本の人口は２００４年１２，７８４万人のピークに下がり続け、２１００年には４，７７１万人になると推計されている。

　この危機感は以前から指摘されていたが。岸田文雄首相は年頭の記者会見で「異次元の少子化対策」を発表、支援強化策を打ち出すと言明。一方で日本の安全保障は防衛費倍増だと声高に打ち出したが、むしろ人口減を食い止めるために高次元の政策を打ち出すことこそ、喫緊の課題である。この危機を脱するには生まれてくる子どもすべてに成人までの教育および医療費の無償、保育所、病児保育の完全整備による労働保障など、思い切った政策を打ち出しても人口増に転じるには１０年以上かかる。財源は国債、税金と消費税の組み合わせ。国防費の増額は急がなくても、人口増こそ最大の安全保障になる。

　この政策を国民が支持しないなら、移民による人口増の道を選ぶしかない。島国の日本人は異民族の受け入れに消極的だ。教育や生活現場での混乱は避けられない。政治や企業の中にも青い目の人、黒人など数多くの異人種が混在、やがて支配層にも登場する。多民族国家のアメリカを見ていたらわかる。どうする日本人…。

文・写真＝岡田 清治