コリウール(フランス)

 2013年6月、フランスの南部への旅。ピレネー山脈の先端と地中海が接する場所にある浜辺の海水浴場で有名な村、コリウール。フランスとスペインの国境からわずか20㎞の小さな港町です。(写真①)

 17世紀後半まではスペイン領であった北カタルーニャにあるため、フランスでありながらスペインの伝統と文化が感じられます。

 

 ここは1905年、アンリ・マティスがアンドレ・ドランらと共にフォービズム(野獣派)(*注 写真②)を起こしたことで有名な街。のんびりした港町を想像していた私たちは、思ったよりリゾート地だったことにびっくりしました。いまでもコリウールの美しい佇まいを描くために多くの画家が滞在し、村には約30もの画廊があるそうです。

 

  訪れた観光客たちは、昼間は歩行者専用になっている狭い路地をぶらぶら歩きながらショッピングを楽しみ、食事を楽しむ時間がきたら、港に面した多くのバーで冷えたコリウールワインと一緒に名物のアンチョビを使った珍味を味わうといいらしい。そんな観光地なのに私たちはいつものように自炊をし、弁当をもって、スケッチしてました。

 借りた家には大概、庭があって、レモンやハーブが植わっています。この村は魚介類が豊富だったので、ハーブを使って香草焼きなど楽しみました。

 

 小道を歩くと「ここからマティスが絵を描いた」という看板が立っています。なるほどいい構図!!(写真③)。

 ん?さすがに120年前とは建物が建ってしまって、こんなに灯台が見えないわ~ということもありました。

 

 海辺にはちょっと気の早い海水浴を楽しむ人々、そしてフランスではよく見る移動式メリーゴーランドもあります。この現代のメリーゴーランドと、その向こうにある歴史的建造物が面白くて絵にしました。

 

 色とりどりの壁に塗られた小道を歩いていると、そこかしこにしゃれたブティックやケーキ屋さんお土産屋さん、目移りするほどのチョコレートやヌガーなど。いつも田舎の村にばかり行っていたので面食らってしまいます。土曜の朝にはマルシェがたち、多くの人でにぎわっています。(写真④)

 かつての宮殿だったロワイヤル城(写真⑤)

 

 私たちはこのコリウールで7日間、近隣の村をスケッチして過ごしました。強烈な日差しの中、鮮やかな色彩に彩られた町、爽やかな海の風を浴びながら家族でのんびりリゾートを楽しむ人々。マティスやピカソもこの風景を見て絵を描いたんだとおもうと一層感慨深いものがあります。

 

画家 アンリ・マティス《コリウール》

*注 フォーヴィスム(仏:Fauvisme、野獣派)は、20世紀初頭の絵画運動の名称。ルネサンス以降の伝統である写実主義とは決別し、目に映る色彩ではなく、心が感じる色彩を表現した。

 

1905年 油彩・厚紙

 1905年5月から9月まで、マティスは、友人で画家のドランとともに、南フランスの小さな漁村コリウールに滞在し、それまでの点描から色面での表現へと大きく画風を変化させました。

 この作品では風景が大胆に表現されています。色彩が自由に使われており、中央の緑色は教会、前景に広がる薄緑色は浜辺、右側のピンク色はヨットの浮かぶ海です。同年のサロン・ドートンヌでは、マティスら若い画家たちは、原色を多用した粗々しい筆づかいから、フォーヴ(野獣)と評されました。ここからフォーヴィスム(野獣派)という名称が誕生しました。

 

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 2013年6月、フランスの南部への旅。ピレネー山脈の先端と地中海が接する場所にある浜辺の海水浴場で有名な村、コリウール。フランスとスペインの国境からわずか20㎞の小さな港町です。(写真①)

 17世紀後半まではスペイン領であった北カタルーニャにあるため、フランスでありながらスペインの伝統と文化が感じられます。

 

 ここは1905年、アンリ・マティスがアンドレ・ドランらと共にフォービズム(野獣派)(*注 写真②)を起こしたことで有名な街。のんびりした港町を想像していた私たちは、思ったよりリゾート地だったことにびっくりしました。いまでもコリウールの美しい佇まいを描くために多くの画家が滞在し、村には約30もの画廊があるそうです。

 

 訪れた観光客たちは、昼間は歩行者専用になっている狭い路地をぶらぶら歩きながらショッピングを楽しみ、食事を楽しむ時間がきたら、港に面した多くのバーで冷えたコリウールワインと一緒に名物のアンチョビを使った珍味を味わうといいらしい。そんな観光地なのに私たちはいつものように自炊をし、弁当をもって、スケッチしてました。

 借りた家には大概、庭があって、レモンやハーブが植わっています。この村は魚介類が豊富だったので、ハーブを使って香草焼きなど楽しみました。

 

 小道を歩くと「ここからマティスが絵を描いた」という看板が立っています。なるほどいい構図!!(写真③)。

 ん?さすがに120年前とは建物が建ってしまって、こんなに灯台が見えないわ~ということもありました。

 

 海辺にはちょっと気の早い海水浴を楽しむ人々、そしてフランスではよく見る移動式メリーゴーランドもあります。この現代のメリーゴーランドと、その向こうにある歴史的建造物が面白くて絵にしました。

 

 色とりどりの壁に塗られた小道を歩いていると、そこかしこにしゃれたブティックやケーキ屋さんお土産屋さん、目移りするほどのチョコレートやヌガーなど。いつも田舎の村にばかり行っていたので面食らってしまいます。土曜の朝にはマルシェがたち、多くの人でにぎわっています。(写真④)

 かつての宮殿だったロワイヤル城(写真⑤)

 

 私たちはこのコリウールで7日間、近隣の村をスケッチして過ごしました。強烈な日差しの中、鮮やかな色彩に彩られた町、爽やかな海の風を浴びながら家族でのんびりリゾートを楽しむ人々。マティスやピカソもこの風景を見て絵を描いたんだとおもうと一層感慨深いものがあります。

 

画家 アンリ・マティス《コリウール》

*注 フォーヴィスム(仏:Fauvisme、野獣派)は、20世紀初頭の絵画運動の名称。ルネサンス以降の伝統である写実主義とは決別し、目に映る色彩ではなく、心が感じる色彩を表現した。

 

1905年 油彩・厚紙

 1905年5月から9月まで、マティスは、友人で画家のドランとともに、南フランスの小さな漁村コリウールに滞在し、それまでの点描から色面での表現へと大きく画風を変化させました。

 この作品では風景が大胆に表現されています。色彩が自由に使われており、中央の緑色は教会、前景に広がる薄緑色は浜辺、右側のピンク色はヨットの浮かぶ海です。同年のサロン・ドートンヌでは、マティスら若い画家たちは、原色を多用した粗々しい筆づかいから、フォーヴ(野獣)と評されました。ここからフォーヴィスム(野獣派)という名称が誕生しました。