師崎のトンマの山という普段は立ち入ることがない場所に友達と行った。しばらく進むと暗い茂みの中に人の気配が‥、なんと歳の離れた兄が南京袋を手に『まんじゅの葉』を採っていたのだ。それはもーびっくりした。今でも節句が近づくと鮮明に思い出す。

 次の日には、母がその葉っぱを使って『かしわ餅』。蒸し器から皿いっぱい盛られた。

 高校のとき半田のお店で、柏の葉っぱを使ったのを初めて見た。とても驚いたと同時にこれが本物なんだと妙に納得。しかし、私にとっては、餅は上新粉を使うのでなく小麦粉、それを『まんじゅの葉』でくるむ、蒸し上がりの小麦粉なのでやや黒ずんだ餅肌、『まんじゅの葉』の優しい丸みとくすんだ薄茶色の色合いが組み合わさった渋い趣、それが『かしわ餅』なんだ、と思った。今も思う。

 『まんじゅの葉』とは、サルトリイバラの葉で、武豊にも自生している。かしわ餅に使われる葉は、西日本でその利用が多く、東日本では柏の葉が多く使われるという。元々は、包む葉のことを『炊し葉(かしは)』と呼び、熱帯地域のバナナの葉を使うのが稲作とともに北上し、サルトリイバラで包んだ『炊し葉(かしは)餅』に形をかえ全国に、らしい。一方、カシワの葉を使った『柏餅』は、人口が急増した江戸時代に代替品として『炊し葉餅』のごろ合わせから生まれ、カシワは若葉が出るまで落葉しないことから、子供が生まれるまで親は死なない、家系が絶えない、縁起が良い、との理由をつけ売られたという。

 小さい頃に母親がいなくなって以来『かしわ餅』を食べていなかった。ところが先日、師崎の老舗で見つけた。「母のかしわ餅だ! 」

 で、今年はあの頃やった邪気を祓うという『軒菖蒲(のきしょうぶ)』を作ってみようかとも、菖蒲はあの店で、ヨモギはあの山で、と想いを練っている。

 軒にいっぱい投げ上げて、コロナ禍を追い祓いたい。

 いや、その前に大人食いするゾ~~『かしわ餅』。

伊藤 明德

 

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 次の日には、母がその葉っぱを使って『かしわ餅』。蒸し器から皿いっぱい盛られた。

 高校のとき半田のお店で、柏の葉っぱを使ったのを初めて見た。とても驚いたと同時にこれが本物なんだと妙に納得。しかし、私にとっては、餅は上新粉を使うのでなく小麦粉、それを『まんじゅの葉』でくるむ、蒸し上がりの小麦粉なのでやや黒ずんだ餅肌、『まんじゅの葉』の優しい丸みとくすんだ薄茶色の色合いが組み合わさった渋い趣、それが『かしわ餅』なんだ、と思った。今も思う。

 『まんじゅの葉』とは、サルトリイバラの葉で、武豊にも自生している。かしわ餅に使われる葉は、西日本でその利用が多く、東日本では柏の葉が多く使われるという。元々は、包む葉のことを『炊し葉(かしは)』と呼び、熱帯地域のバナナの葉を使うのが稲作とともに北上し、サルトリイバラで包んだ『炊し葉(かしは)餅』に形をかえ全国に、らしい。一方、カシワの葉を使った『柏餅』は、人口が急増した江戸時代に代替品として『炊し葉餅』のごろ合わせから生まれ、カシワは若葉が出るまで落葉しないことから、子供が生まれるまで親は死なない、家系が絶えない、縁起が良い、との理由をつけ売られたという。

 小さい頃に母親がいなくなって以来『かしわ餅』を食べていなかった。ところが先日、師崎の老舗で見つけた。「母のかしわ餅だ! 」

 で、今年はあの頃やった邪気を祓うという『軒菖蒲(のきしょうぶ)』を作ってみようかとも、菖蒲はあの店で、ヨモギはあの山で、と想いを練っている。

 軒にいっぱい投げ上げて、コロナ禍を追い祓いたい。

 いや、その前に大人食いするゾ~~『かしわ餅』。

伊藤 明德