実家に足を運ぶこの頃。姉と二人で、留守になってる家の片付けをしているのだ。築50年は経つのかな。瓦葺きで、雨漏りは今のところ大丈夫。ただ、ひさしのペンキが剥がれて、風が吹く日はハラハラと庭に落ちてくる。妙に、朽ちていく家の姿と両親の老いて家に戻れない現実の姿が重なってしまう。

　片付けは、まず、庭のプランターから。薔薇とユリの花が好きな母。艶やかなのが好み。そう言えば、タンスを開けると「カラオケのステージ衣装？」と思うようなパッと目を引く色柄物がぎっしり。そんな贅沢さを感じる生活は、仕事を辞めてからなのだ。人並みの暮らしを謳歌してるなあと、明るく元気な母に幸せが来て良かったと思ってた。

　父も働き者で、定年後もシルバー人材派遣に登録して、手先の器用さと真面目な仕事振りで、結構ご指名を受けてたようだ。

　しかし、足を悪くして、辞める事に。それからの老化のスピードは速かった。

　老老介護に疲れた母は介護ウツに。

　今、育ててもらい、嫁がせてもらった両親の暮らしぶりを姉と二人、思い出話をしながら、片付けている。

　…いやあ、こんなにはかどらないものなんだ。招き猫の置き物二体、処分するには気が引ける。そんなこんなしながら、出てきた昭和のレコードの懐かしさに又手を休めてる。

　いつかは、私自身も娘たちにお世話になる日が来る。目にしてもらいたくないモノを、まずは自分の手で処分しておかねば。嫁姑の愚痴ノート。高価なモノは持ってないので、形見分けする事はまず無いに等しい。これについては申し訳ないと思う。でも、迷うこと無く処分できるモノばかりだから、許してもらおう～。あ～なんだかちょっと寂しくなってきた（ジワ～）。

磯貝 みよ子

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