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子どもに戻れる場所 キラキラ目が輝いている。キラキラ話も輝いている。掛け値のない愛情を注がれて育ったことがよくわかる。小澤征良さんは、世界的マエストロ・小澤征爾さんの長女。はじめて書いたエッセイ『おわらない夏』がベストセラーになっている。 征良さんは、生まれてからこのかた、毎年、夏になると、父の活動拠点だったボストン交響楽団の音楽祭開催の地タングルウッドで過ごしてきた。『おわらない夏』は、そこでの少女時代の思い出を記したものだ。 タングルウッドは、ボストンからも、ニューヨークからも、車で3時間ほどのところにある。バークシャー山脈の山中にある自然豊かなところだ。毎年夏には、ボストン恐々楽団の音楽祭が開催され、30万人が集まる。小澤家の人々も、夏になると、ごく自然に集う場所だった。 |
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父が、ウィーンに行くことになり、夏に行くのがあたりまえだったタングルウッドを離れることになった。終わりがくるはずないと思っていたものに終わりが来た。パニックに近い気持ちになったが、書くことで気持ちの整理をつけ、自分のこども時代を振り返ろうと思い立った。そして、読者にも、子ども時代の楽しい思い出、いまの自分を作っている子ども時代を振り返るきっかけにしてもらいたいと考えた。 それにしても、子ども時代のことをよく記憶している。日記をつけていたわけでもないのに、まるで、昨日のことのように、よく覚えている。 ![]() 父の運転する赤い軽トラックでガタガタ道を行き来したこと、小さな町の映画館で、ワクワクしながら≪スターウォーズ≫を見たこと、小枝や小石を集めて森に隠れ家を作ったこと・・・。子ども時代にタイムスリップしたようだった。いまも昔も、何も変わらない町にいると、「子どもの征良さん」が目を覚ますようだ。タングルウッドは、征良さんにとって、「永久に子どもでいられる場所」なのだ。 父・小澤征爾の素顔 |
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タングルウッドには、父や家族との忘れ難いエピソードが詰まっている。 時差のせいで、夜中眠れないことがあった。そんなとき、「子どもが眠れないのは、おなかがすいているからだろう」と父は、バナナを許容してくれた。夜中のキッチンで、父とこっそりバナナを食べた。そのバナナの味は格別だった。ふだんしないことをするワクワク感があった。 ファミリー映画の撮影も、慣例行事だった。オザワプロダクションと名付け、話題の作品の小澤バージョンを制作するのだ。衣装も手作り、メイクも念を入れた。 『オズの魔法使い』では、ドロシーは征良さん。かかしの役は父だった。『キャッツ』でも「メモリー」を熱唱する白猫を征良さん。父は、凝りすぎのメイクで、どう見ても化け猫だった。いつもヒロインは、征良さん。道化役は、アドリブ大好きの父だった。 サプライズ・バースデイ。誕生日に内緒で本人を驚かせるのが、小澤家の伝統だ。何をプレゼントするか、本人を除く家族会議で決め、当日まで徹底した秘密作戦で進める。泳げないママのためのプールサイドの家作りをしたときは大変だった。何日もかけて、板を打ち付ける金づちの音がママに聞こえないよう細心の注意を払いながら、小さな家を作り上げた。 「誰しも子どもだったとき、暮らす場所が違い、家族構成が違っても、時代背景が違っても、何事も100%楽しめた瞬間を持っているはずだ」 |
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■イネ・セイミプロフィール フルート奏者として活躍中。俳画家。 絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。 * 俳画とは |
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