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作家・遠藤周作さんが亡くなって今月29日で6年になる。夫人の遠藤順子さんは、月命日の29日には、府中カトリック墓地に眠る周作さんの墓参りを欠かさない。 いたずら好きの孤狸庵先生は、いまもよく出没するという。「生前からサービス精神旺盛な人だったけど、亡くなってからは、あちこち自由に飛び回れるから喜んでいるみたい」 かつての秘書の夢には、3回も登場したという。夫の親友が散歩していたら、頭上の木がカサカサ言うので、なんだろうと見上げると、「泣くなよ」という周作さんの声がどこからともなく聞こえたという。「なかなか私のところに現れてくれないけど、私の心の中に、しっかり入り込んで生きている」と、順子さんは微笑む。 |
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順子さんは、周作さんの死後、周作さんから出された「3つの宿題」と向き合う日々を過ごしてきた。それは、「死は終わりではない」「心暖かな医療」「日本人の心に届くキリスト」という3つである。 ベッドサイドで、二人は「沈黙の会話」をかわしていた。亡くなる一年くらい前から、周作さんはほとんど話すことが出来なくなり、二人の会話は、握り合った手を通して行われていた。臨終の床で人口呼吸器が外されたわずかの間に、「光の中に入った。おふくろにも兄貴にも会ったから安心しろ。死は終わりではない」と周作さんの言葉が、握っていた手から、しっかりと伝わってきた。周作さんからの「死は終わりではない」というメッセージは、しっかり受け止めることが出来た。与えられた命を懸命に生きた人にとって、死は終わりではないのだと・・・。 |
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医師や看護婦が補いきれない部分をサポートしようと、周作さんは、入院患者の訴えに耳を傾ける≪傾聴≫のボランティア結成を呼びかけた。その名も「遠藤ボランティア」。今年、結成20周年を迎えた。「心暖かな医療」を推し進めるには、こうした地道な活動を積み重ねていくしかない。 もう一つの宿題「日本人の心に届くキリスト」については、『沈黙』の舞台である長崎県外海町「そとめちょう」に遠藤周作文学館を、一昨年5月に完成させたことで、少しは順子さんの肩の荷が降りた。この場所を訪ねて、日本人にとってキリスト教とは何か、信仰とは何か、神とは何かを考えるきっかけにしてほしいと、順子さんは願っている。 宿題はなかなか片付かない。夏休みも終わりがけの8月30日になって、忘れていた宿題を思い出したような心境だと言う。いずれ周作さんと再会することになるが、そのとき「あんなにいい宿題出したのに、まだやっていないのか」と小言を言われる再会だけはしたくないと、順子さんは思っている。 |
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■イネ・セイミプロフィール フルート奏者として活躍中。俳画家。 絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。 * 俳画とは |
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