灼熱地獄の夜の水やり、葉の間に点々と光って見えるゴーヤの黄色に、なぜか枕草子の「夏は夜。・・闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。・・」が、浮かんだ。捨てるには惜しい、ホットドッグの様にしたらどうか・・。早速ネットで検索したが前例は無し、もしや私の発明か？「イエロー・ゴーヤドッグ」と勝手に命名。この続きは清少納言になりきってみよう。
夏は、ゴーヤの青き実のある頃こそ、いとをかし。その艶やかにして涼しげなるさま、目にも心にも嬉しきものなり。
盛夏の候、真っ赤に燃ゆる太陽は、身も心も溶けるばかりなれど、緑の帳のごとき蔓は、日の矢を遮りて、風の心地よさ、言葉に尽くしがたし。されど、ゴーヤの黄に色づきたるを見つけし時は、いと口惜し。昨日のうちに、念入りに探し求めしものならばと、悔しさ胸に満ちて、庭に佇みぬ。
黄なりし実を見て、ふと心に浮かびしは、ゴーヤを割りてソーセージを挟む「ゴーヤドッグ」なるものなり。
赤く熟れたる種、いみじくめでたし。取り出してデザートと食くふべしと覚ゆ。
ソーセージは魚肉のもの。さらなり。あらかじめ電子レンジにて熱を帯びしもの、味の変化すさまじく、驚くほどの旨さこそ、いとをかし。
庭より摘みたるエゴマの葉、大葉、三尺ささげの茹でたるを左右に、紅きケチャップと淡き黄色のマヨネーズをかけて食すれば、味の調和まことに言葉も及ばず。
デザートのその赤き種、甘くてぬるりとしたる感触に、幼き日々の記憶ふとよみがへりぬ。庭先にて、父の目を盗みて口にしたる頃の、密やかなる愉しみなり。
今もなお、これこそ我がひそやかなる夏の御馳走と覚ゆ。
かくて、黄なる実に工夫を凝らすも、夏の楽しみのひとつなり。
されば、酷暑もまた、味覚と創意にて乗り越えらるるものと知る。いとありがたきことなり。
さ～て、なりきれたかな～・・・。
伊藤 明德
夏は、ゴーヤの青き実のある頃こそ、いとをかし。その艶やかにして涼しげなるさま、目にも心にも嬉しきものなり。
盛夏の候、真っ赤に燃ゆる太陽は、身も心も溶けるばかりなれど、緑の帳のごとき蔓は、日の矢を遮りて、風の心地よさ、言葉に尽くしがたし。されど、ゴーヤの黄に色づきたるを見つけし時は、いと口惜し。昨日のうちに、念入りに探し求めしものならばと、悔しさ胸に満ちて、庭に佇みぬ。
黄なりし実を見て、ふと心に浮かびしは、ゴーヤを割りてソーセージを挟む「ゴーヤドッグ」なるものなり。
赤く熟れたる種、いみじくめでたし。取り出してデザートと食くふべしと覚ゆ。
ソーセージは魚肉のもの。さらなり。あらかじめ電子レンジにて熱を帯びしもの、味の変化すさまじく、驚くほどの旨さこそ、いとをかし。
庭より摘みたるエゴマの葉、大葉、三尺ささげの茹でたるを左右に、紅きケチャップと淡き黄色のマヨネーズをかけて食すれば、味の調和まことに言葉も及ばず。
デザートのその赤き種、甘くてぬるりとしたる感触に、幼き日々の記憶ふとよみがへりぬ。庭先にて、父の目を盗みて口にしたる頃の、密やかなる愉しみなり。
今もなお、これこそ我がひそやかなる夏の御馳走と覚ゆ。
かくて、黄なる実に工夫を凝らすも、夏の楽しみのひとつなり。
されば、酷暑もまた、味覚と創意にて乗り越えらるるものと知る。いとありがたきことなり。
さ～て、なりきれたかな～・・・。
伊藤 明德
