ひぃさま(松根裕美)
京都生まれ、京都育ち。
学生時代は日英を問わず朗読や作文に多く携わる。高校時代、裏千家主催学校茶道体験論文コンテストにて優秀賞受賞、第18回裏千家ハワイセミナーに招待。京都私学ESS連盟主催英語暗唱大会優勝、英語弁論大会優勝。大学時代、世界遺産「下鴨神社」で十二単王朝舞を学び、名月管絃祭で舞を奉納。現在は京がたりの舞台活動に加え、一般社団法人きものカラーコーディネーター協会認定講師として、きもの・色・ことばに関わる各種レッスンやコンサルティングを、名古屋を中心に各地で展開。きものカラーワークやセルフ和髪レッスンなど、地方や海外からも生徒が訪れる人気講座を運営。
インスタグラム→ @hiromimatsune
ひぃさま❀藤間勘萃 幻燈館
「十三詣り」動画を YouTubeでご覧いただけます。
QRコードを読み取っていただくか、「ひぃさま十三」で検索して下さい。
藤間勘萃
1958年に名古屋で生まれて、1977年にデビュー。
日本舞踊家 (宗家 藤間流 名執)/楽師としてNHK「日曜美術館」や「花の舞・花の宴」、養老孟司 (東京大学名誉教授)との「以心伝心・以身伝心」、久田舜一郎 (小鼓方 大倉流15代宗家)との「秋天の興」など放送や舞台に数多く携わる。作/編曲家として「世界デザイン博覧会」テーマ館音楽、名古屋市芸術祭主催公演テーマ曲、関西二期会オペラ、合唱曲「弥陀観音大勢至」(深井丸 興西寺所蔵)、「おとほぎ」(あいちオカリナ フェスタ テーマ曲)、音楽版「浄土真宗 正信偈草四句目下」(光壽山 阿彌陀寺所蔵)などを手掛ける。名古屋音楽大学 音楽学部 作曲学科卒業。日本福祉大学 社会福祉学部を経て、現在、 東海学園大学 教育学部にて講師。
ひぃさま❀藤間勘萃の
ホームページはこちら
No.003 祇園祭 ~七月~

 コンコンチキチン、コンチキチン。

 七月の京都は祇園祭一色。コンチキチンの祇園囃子が流れる街中で、一カ月に及んで様々な神事や行事が行われる。そのハイライトは山鉾巡行。御神霊の神輿渡御に先立ち、山鉾が続々と巡行して市中の邪気を祓い清める。その数、前祭と後祭あわせて三十四基。最大級の鉾は、二十人の囃子方を乗せ、約五十人の曳手に曳かれ、重量十二トン・高さ二五メートルの巨体を揺らし、市中の穢れを一身に集めて進んでいく。
 そうして役目を果たした山鉾は、 巡行が終わると、豪華な懸装品をただちに外され、すぐさま解体される。集めた邪気を市中に四散させないように。

 御神霊のために、民草のために、自らが穢れにまみれ厄災を鎮めるお役目を、千二百年の間、果たしてきた山鉾たち。勇壮で美しくあるからこそ、その運命は残酷で胸を穿つ。

 だから私は、巡行前日の宵山の夜、そんな山鉾をひとつひとつ訪ねて、心のなかでそっとねぎらいの声をかけるのだ。毎年ありがとうね、明日がんばってね。

 そしたら、こんな声がどこからか聞こえてくるような。

「今年も来たんかいな、ご苦労さん」
「一年ぶりやなあ。まあゆっくりしていき」
「今年の提灯どうえ? ええ塩梅に灯ってるやろ」
「明日、お役目無事に果たせるよう、神さんにようようお祈りしといてな。」
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あかい新聞店・常滑店
新聞■折込広告取扱■求人情報■ちたろまん■中部国際空港配送業務
電話:0569-35-2861
あかい新聞店・武豊店
電話:0569-72-0356
■この指とまれ
■PDFインデックス
■ちょっとおじゃまします                   
■元気の出てくることばたち
ひぃさま(松根裕美)
京都生まれ、京都育ち。
学生時代は日英を問わず朗読や作文に多く携わる。高校時代、裏千家主催学校茶道体験論文コンテストにて優秀賞受賞、第18回裏千家ハワイセミナーに招待。京都私学ESS連盟主催英語暗唱大会優勝、英語弁論大会優勝。大学時代、世界遺産「下鴨神社」で十二単王朝舞を学び、名月管絃祭で舞を奉納。現在は京がたりの舞台活動に加え、一般社団法人きものカラーコーディネーター協会認定講師として、きもの・色・ことばに関わる各種レッスンやコンサルティングを、名古屋を中心に各地で展開。きものカラーワークやセルフ和髪レッスンなど、地方や海外からも生徒が訪れる人気講座を運営。
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藤間勘萃
1958年に名古屋で生まれて、1977年にデビュー。
日本舞踊家 (宗家 藤間流 名執)/楽師としてNHK「日曜美術館」や「花の舞・花の宴」、養老孟司 (東京大学名誉教授)との「以心伝心・以身伝心」、久田舜一郎 (小鼓方 大倉流15代宗家)との「秋天の興」など放送や舞台に数多く携わる。作/編曲家として「世界デザイン博覧会」テーマ館音楽、名古屋市芸術祭主催公演テーマ曲、関西二期会オペラ、合唱曲「弥陀観音大勢至」(深井丸 興西寺所蔵)、「おとほぎ」(あいちオカリナ フェスタ テーマ曲)、音楽版「浄土真宗 正信偈草四句目下」(光壽山 阿彌陀寺所蔵)などを手掛ける。名古屋音楽大学 音楽学部 作曲学科卒業。日本福祉大学 社会福祉学部を経て、現在、 東海学園大学 教育学部にて講師。
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No.003 祇園祭 ~七月~

コンコンチキチン、コンチキチン。

 七月の京都は祇園祭一色。コンチキチンの祇園囃子が流れる街中で、一カ月に及んで様々な神事や行事が行われる。そのハイライトは山鉾巡行。御神霊の神輿渡御に先立ち、山鉾が続々と巡行して市中の邪気を祓い清める。その数、前祭と後祭あわせて三十四基。最大級の鉾は、二十人の囃子方を乗せ、約五十人の曳手に曳かれ、重量十二トン・高さ二五メートルの巨体を揺らし、市中の穢れを一身に集めて進んでいく。
 そうして役目を果たした山鉾は、 巡行が終わると、豪華な懸装品をただちに外され、すぐさま解体される。集めた邪気を市中に四散させないように。

 御神霊のために、民草のために、自らが穢れにまみれ厄災を鎮めるお役目を、千二百年の間、果たしてきた山鉾たち。勇壮で美しくあるからこそ、その運命は残酷で胸を穿つ。

 だから私は、巡行前日の宵山の夜、そんな山鉾をひとつひとつ訪ねて、心のなかでそっとねぎらいの声をかけるのだ。毎年ありがとうね、明日がんばってね。

そしたら、こんな声がどこからか聞こえてくるような。

「今年も来たんかいな、ご苦労さん」
「一年ぶりやなあ。まあゆっくりしていき」
「今年の提灯どうえ? ええ塩梅に灯ってるやろ」
「明日、お役目無事に果たせるよう、神さんにようようお祈りしといてな。」
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京都生まれ、京都育ち。
学生時代は日英を問わず朗読や作文に多く携わる。高校時代、裏千家主催学校茶道体験論文コンテストにて優秀賞受賞、第18回裏千家ハワイセミナーに招待。京都私学ESS連盟主催英語暗唱大会優勝、英語弁論大会優勝。大学時代、世界遺産「下鴨神社」で十二単王朝舞を学び、名月管絃祭で舞を奉納。現在は京がたりの舞台活動に加え、一般社団法人きものカラーコーディネーター協会認定講師として、きもの・色・ことばに関わる各種レッスンやコンサルティングを、名古屋を中心に各地で展開。きものカラーワークやセルフ和髪レッスンなど、地方や海外からも生徒が訪れる人気講座を運営。
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1958年に名古屋で生まれて、1977年にデビュー。
日本舞踊家 (宗家 藤間流 名執)/楽師としてNHK「日曜美術館」や「花の舞・花の宴」、養老孟司 (東京大学名誉教授)との「以心伝心・以身伝心」、久田舜一郎 (小鼓方 大倉流15代宗家)との「秋天の興」など放送や舞台に数多く携わる。作/編曲家として「世界デザイン博覧会」テーマ館音楽、名古屋市芸術祭主催公演テーマ曲、関西二期会オペラ、合唱曲「弥陀観音大勢至」(深井丸 興西寺所蔵)、「おとほぎ」(あいちオカリナ フェスタ テーマ曲)、音楽版「浄土真宗 正信偈草四句目下」(光壽山 阿彌陀寺所蔵)などを手掛ける。名古屋音楽大学 音楽学部 作曲学科卒業。日本福祉大学 社会福祉学部を経て、現在、 東海学園大学 教育学部にて講師。
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コンコンチキチン、コンチキチン。

 七月の京都は祇園祭一色。コンチキチンの祇園囃子が流れる街中で、一カ月に及んで様々な神事や行事が行われる。そのハイライトは山鉾巡行。御神霊の神輿渡御に先立ち、山鉾が続々と巡行して市中の邪気を祓い清める。その数、前祭と後祭あわせて三十四基。最大級の鉾は、二十人の囃子方を乗せ、約五十人の曳手に曳かれ、重量十二トン・高さ二五メートルの巨体を揺らし、市中の穢れを一身に集めて進んでいく。
 そうして役目を果たした山鉾は、 巡行が終わると、豪華な懸装品をただちに外され、すぐさま解体される。集めた邪気を市中に四散させないように。

 御神霊のために、民草のために、自らが穢れにまみれ厄災を鎮めるお役目を、千二百年の間、果たしてきた山鉾たち。勇壮で美しくあるからこそ、その運命は残酷で胸を穿つ。

 だから私は、巡行前日の宵山の夜、そんな山鉾をひとつひとつ訪ねて、心のなかでそっとねぎらいの声をかけるのだ。毎年ありがとうね、明日がんばってね。

そしたら、こんな声がどこからか聞こえてくるような。

「今年も来たんかいな、ご苦労さん」
「一年ぶりやなあ。まあゆっくりしていき」
「今年の提灯どうえ? ええ塩梅に灯ってるやろ」
「明日、お役目無事に果たせるよう、神さんにようようお祈りしといてな。」