海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 「頭の中は土色。急須のことでいっぱい」こう、山田さんは話した。毎日毎日、意欲的に急須作りに取り組む常滑の窯元の3代目。父は植木鉢を作る職人。祖父の仕事場だった所が工房だ。石こう押し型、粘土練り機や窯など、山田さんが仕事をする上で申し分のない道具が揃えられている。そして、工房の窓からは、春の芽吹から新緑へと移り変わる季節を感じられる。
 大学卒業後は1年程会社員を経験し、家業を継ぐため、常滑陶芸研究所に通い、この春卒業した。現在は父の仕事を半分、自分の仕事を半分だと、いう。
 本格的に急須を作り始めて数年。まだまだ鍛錬すべきことがたくさんある。現在、山田さんのように20代で常滑で急須を作り続けている人は少ない。急須作りが好きだから、1つ1つのパーツに気が抜けない。急須のことを考えたら、気の休まる時がないという。「人のまねではない、自分のものを作る。そして、土の特性を生かした急須作りに心掛けていきたい」と話す。これが僕の使命だと、はにかみながらも真剣な目で語った。
 5月半ばにグループ展に参加した。そこで、ギャラリーを訪ねてきてくれた人に急須を説明する楽しさも知った。話してみて、知ることもたくさんある。中には君の作品は0ゼロが1つ足りないと、嬉しいことを言ってくれた人もいた。自分が行動してみて、多くの人と交流して、急須の産地に生まれ育ち後継者として、常に希望は大きくもっていたいという。
 今の楽しみは、仕事のあとに楽しむ煎茶だと、急須作りに打ち込む青年の言葉が返ってきた。
(赤井伸衣)