海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 昨今、静かなブームなのか、知人が将棋の面白さに目覚め、将棋を始めたと聞いた。無知な私は以前、イケメン知人に「何で将棋のような地味なものを始めたの?」と、聞いてしまったことを思い出した。イケメン知人は「将棋は頭を使うんだよ。勝った時よりも負けた時の方が得るものが多いんだよ。時には大胆に勝負することも必要だよ」と、教えてくれた。そこで、日本将棋連盟常滑支部の副支部長・森下さんを訪ねてみた。常滑支部は45年前に発足。愛知県で2番目に古い支部という。現在、毎週土曜日18時から21時まで常滑市中央公民館で、小学1年生から70代までの25名程の将棋愛好家が対局を楽しんでいる。
 将棋は自分の頭脳だけで、技がかかった時、同じ盤の上で同じ数の駒で戦う、隠すところがなく、そこが面白いと、森下さんはいう。愛好家の中には社長やエンジニアといった職業の人もいるといい、人と人の出会いから世間を知ることが出来た。丁寧に築き上げてきた仲間とは今も交流が続いている。
 森下さんの将棋歴は45年。将棋は自分を発散できる唯一のものだから、アマチュアで45年間続けることができた。今、将棋をやりたいと訪ねてきた人たちに、将棋を通して自分の弱いところ、力強いところ、繊細なところ、すべてをさらけ出して対局することも楽しみの1つだと、話してくれた。小学生は頭の回転も早く、熱心だという。森下さんにとって、将棋はコミュニケーションツール。子供を教える時は、こっそり上手に負けてあげることも忘れてはいない。将棋は礼に始まり、礼に終わるといわれ、礼儀作法も教えている。
 時間がかかってもいいから、この支部の中からキラッと光る逸材を取り出して磨いてみたい。きっと、とてつもない逸材がぎっしりと詰まっていると思うから、と夢を語ってくれた。
 最後にどんな性格の人が将棋に強いのか聞いてみた。用心深く、研究熱心で気の長い人と、いう。将棋という高度な頭脳の駆け引きは、森下さんの頭の体操にも役立っているようだ。
(赤井伸衣)