海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 「いつも、あいつは奥さんと一緒だで」という、陶芸作家を知人に紹介してもらった。やっぱり、一緒。いつも二人で、とっても仲良しのようだ。その陶芸家は、関龍郎さん。三重県伊賀市猿野で作陶している。奥さんもご主人のアシスタントとして作陶する。関さんが暮らす猿野は秋が深まれば、山里を染める紅葉のひと味違う趣きを楽しむことができる。自然豊かで温泉もあり、ほっこりできる所という。ザ・日本の風情に一度、行ってみると心を奪われてしまう人も多いと、いう。
 関さんの母親が陶芸に興味があった影響で、子供の頃から陶芸教室に母親と一緒によく通った。子供ながらに、自分だけのスペシャルな一枚の皿に感銘を受けた。自分の作った作品は、心がきらめくコレクションとして大切にした。20代半ばで陶芸を天職とした。20 年間、がむしゃらだった。今、ようやく陶芸が面白くなってきたという。
 関さんは壺、花器、抹茶茶碗…と、何でも作陶する。窯の中で炎の勢いによって、できる灰かぶりは美しい。土の風合いは、みずみずしい。伊賀焼は料理をより美しく見せる器ともいわれている。関さんの作る器は豊かに生活を楽しんでいる、心の豊かさがあることを、そっと教えてくれる。関さんの器の手触りは極上、暖かみがあると、奥さんは自慢気に話す。シンプルだけれど、ずしりと重みのある、そして、どこかポップな印象を受ける。2013年、めし碗グランプリ展にて陶器部門最優秀賞を受賞した。
 今後はもっと質のいいものを作陶していきたいと、関さんはいつも思っている。ポジティブなエネルギーを込めて作陶していくこと。それが、絶対的な責任と、関さんはいう。そして、集大成はやっぱり日本の真ん中のデパートで個展を開いてみたいと、話した。
 趣味は、奥さんと二人で楽しむ窯元巡り。出掛けた先で、たまたま出合ったものを受け入れて、それを楽しむようにしているという。購入した作品は奥さんへのプレゼントとなっている。
(赤井伸衣)