海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 中学生の頃から中国の思想哲学、諸子百家( 孟子、孔子など) に興味を持った。読書といえば、専ら古典だった。大学四年生の時、交換留学生として台湾に留学した。台湾の文化にふれていると、もっと台湾について知ってみたくなった。帰国後も、その気持ちは変わることがなかった。台湾は浦山さんの生き方さえも変えてしまった。就職は台湾と何らかの関わりのある会社を探し、台湾駐在を希望したが、叶うことはなかった。サラリーマンをしながら、日本と台湾との架け橋となることをしてみたいという思いが強くなり、あっさりと、サラリーマンを三年で辞めてしまった。
 サラリーマン時代に台湾茶の世界を覗いてみた。台湾茶に詳しい人物とも出逢うことができた。サラリーマンを辞めて台湾に渡った。人と人がつなぎ、茶農家で二年間、お茶の作り方を学んだ。台湾の人は日本人に似た感受性をもつ人が多かった。お茶がどう飲まれているのか知り、台湾の人とふれ合う中で、はじめて見えてくるものがあった。自然によって作り上げられるものがきっとあるはず。この土地でなければできない味がきっとあるはず。本当に素晴らしいお茶は、自然と手間と時間をかけて生まれるものだという。小さなことだけれど、本質を大切にしようと思ったという。こうして、浦山さんの気質が凝縮された台湾茶が誕生した。浦山さんは美味しいお茶のためなら、手間も時間も惜しまない職人気質なところがある素直な人だ。
 浦山さんの手がける台湾茶には全国に愛好家がいる。この台湾茶を求めて、北海道から飛行機で駆けつける人もいる。浦山さんの台湾茶への愛情、幅広い知識、穏やかな人柄、そして、イケメン…。皆が寄ってくる理由がわかったような気がする。
 起業して五年目になる。今も日本と台湾を行き来する。台湾のいいものを日本に紹介したい。日本のいいものを台湾に紹介したい。いいものには、きっと、人の心が宿っていると思う。浦山さんは愛知県で生まれ育った。常滑の急須は身近に感じる。今後は、台湾茶と共に常滑の急須の魅力も伝えていきたいと話す。自分でなければ伝えられないものがあるはずだから…と、いう。
 伴侶も台湾の女性という。浦山さんは仕事もプライベートも台湾に情熱的な人だった。
(赤井伸衣)