海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 自由気ままに休日を利用して隣町の常滑で陶芸に打ち興じていた。その中で作家との出逢いがあり、窯を貸してくれた。器作りには多くの匠の技が必要だと感じ、基本を大切に思い、もう一度陶芸の原点に戻ってみたいと思い始めた頃、盤プロジェクトに出合った。盤プロジェクトとは、土や風土や職人技など、常滑にしかないものを受け継いで、常滑焼の未来を明るくしようという事業計画である。それに出合ったことで、真摯に進むべき道と向きあうことができた。
 上田さんは細かい粒子の土で器や皿などを作陶している。急須に使われる土と同じだという。使えば使うほどに艶のある温かな味わいになるという。上田さんは、この味わいが好きだという。釉薬は古くから常滑に伝わるものを使っている。常滑の土や常滑で受け継がれてきた藻がけ等の技法を大切に、作品を使ってもらった人が幸せを感じて、笑顔になって、そして、また美味しく食事を楽しんでもらえたら嬉しいという。上田さんは自分らしいオリジナルな作品を一つでも多く作り、自分の世界を確立させていくことが出来ればと、思っている。今は常滑の土にこだわり、いろいろなことに挑戦している。
 スキューバーダイビングに夢中になった時もあった。バーベキューが大好きでよく楽しんでいた。典型的なアウトドア派だった。今は時間を忘れて、作陶に没頭する日々で、土は飽きることがないという。すっかり、インドア派と化してしまった。1年前に工房兼店舗「ともの世界」を焼き物散歩道のコースに開いた。ふらっと立ち寄ってくれる人や料理人が器を探しに寄ってくれたり、海外の人が訪ねてくれたり…と、さまざまな出逢いがある。訪ねてきてくれた人に、常滑焼の文化は素晴らしいと、「ともの世界」から発信できたら嬉しいという。常滑焼の素晴らしい文化があることを、これからも伝えていきたいと、上田さんは話す。
(赤井伸衣)