海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 母の影響だった。土だらけの泥臭い世界に、これほどまでに、すんなりと飛び込めるのだろうかと思う。陶芸が上手いだけではない。陶芸が大好きだから、作陶している。子どもの頃に思い描いたように。三好さんは大学院を卒業し、丹波にある陶芸美術館に就職し、その後、常滑陶芸研究所に通い、4月から本格的に独立した。
 子どもの頃から、焼き物は身近にあった。陶芸の世界に浸ることは好きだった。初めて見る作品に心を奪われることもしばしばあった。その気持ちは、今でも変わらない。小さい時に遊んだおもちゃは、常滑焼のノベルティだったと話す。
 三好さんは、物を見る数が圧倒的に少ないと話す。だから、展示会や個展などにも積極的に出掛け、思いついたら、すぐに描きとめる。描きとめながら、記憶しておくことを心掛けているようだ。そうすることで作陶する、表現する手段になる。これは、焼き物を作る一歩になるからという。そして、初めて出逢った還暦過ぎの作家に「自分の個性を見つけるまでが修業で、それを高めていくのが仕業だよ」と、教えてもらった。
 『三彩碗』と名付けた三好さんの作品を見せてもらった。手のひらにすっぽりと収まる、可愛らしいお抹茶茶碗だ。作る楽しさと、それを使ってもらうことに喜びを感じながら、使って、いつもの食卓の会話が弾んだらいいなぁと、思いながら作陶している。釉薬を作るのが大好き、調合するのが大好き、焼き方や土を変えたら、どうなるのかなぁ?と、いつも考えている。
 今は急須を作れるようになることが目標だという。急須の作り方を覚えていれば、世界中のどこでも通用できると思うからだ。将来は常滑にこだわらず、大きな舞台で活躍できたら…と、話してくれた。
 お話ししていると、イメージがどんどん膨らんでいく面白さが三好さんにはある。これからも、この彼女の人柄と作陶を進化させていくのだろうなぁ。
(赤井伸衣)