海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 玄関を開けると、温かな笑い声が聞こえる。いづみさんの二人のお嬢さん達だ。アメリカ人の父親とのハーフだ。人なつこい二人は、英語と日本語で話しかけてくる。ミーハーな私は、世界地図でアメリカをイメージし、二人の人柄をイメージする。そして、彼らの魅力を感じて、もっと知りたくなってしまう。元気でいいなあ。そこは温かな空気に包まれている。
 いづみさんは行動的な女性だ。このフットワークの軽さは羨ましい。故郷は新潟。大学生活を山陰で過ごし、ご主人とはアメリカで出会った。英語の話せない、いづみさんは身振り手振りでご主人と信頼関係を築き、一年後には英語をマスターした。英語が話せなくても、何の当てもなく数ヶ月アメリカに滞在してしまうところが、いづみさんらしい。すぐにその環境に慣れて楽しめてしまうという。人生乗り切っている姿を想像していると「私もどこでも何でも楽しんでしまうぞ!」という気持ちになれる、という。いつまでも、学生時代のような、わくわく感や楽しい気分を持ち続けていると話す。いづみさんは、「私、何も考えずにここまできたんですよ!!」と、謙遜して話す。
 いづみさんは人形作家だ。アメリカ滞在中に覚えたミシンが今は大活躍という。土と布とのジョイントで何かを作れたら、面白いものができるのではないだろうか?機械的なものや、実用的なものとはひと味違うけれど、自慢できるのではないだろうか?変わったものを作っていると、それ何?と聞かれるように、そんな想いから、土で作ったネズミの胴の一部を布にしてみた。実は、布に針を刺して、針山なのだ。その他には羊やどんぐりなど、見た目が個性的なものであり、使い心地はイマイチである、日常生活で役立つことはないだろうと思ってしまうものなど。でも、その作品には愛嬌だけは負けていない。どれも憎めないくらい、可愛い。いつもお客さんは可愛いといってくれる、それが楽しいと、いづみさんはいう。
 これからのことは空っぽ。何も考えていないんです、という。これからのことは、私が一番楽しみにしているという。いづみさんは臨機応変に対処できる人だから、何があっても幸せに変えてしまうんだろうなあ。
(赤井伸衣)