海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 齋田さんの人生に彩りを加えてくれたものは焼き物だった。退職後、陶芸を始めた。キリンのオブジェ、お地蔵さん、猫のカップなど作るものはさまざまだ。作品を選ぶ基準は相手次第でいい。相手が求めているものこそ、重宝される。齋田さんの場合、それがキリンのオブジェなのだ。最も得意とし、心弾む仕事という。そのキリン、龍なのか?それとも、架空の動物なのか?そんなことを考えていると、目で楽しめて、次はこんなものを探して一緒に並べようと、こだわりの生活の質の向上に繋がると、齋田さんはいう。
 今、手元に齋田さんの作ったお地蔵さんがある。こちらを不思議そうに見ているようだけれど、そのお地蔵さんは小さくて、温かさが感じられる。じっと眺めていると、とある4歳の男の子を思い出した。私が出逢った男の子だ。その子は、ほっぺたがぷくっとしていて、育ちの良さからか、品格が備わっている可愛い子なのだ。なぜだろうか。その男の子にふっと包まれているような感じがする。今までの私が抱かなかった、この感情に少しばかりの戸惑いを感じながら、今も、このお地蔵さんを眺めているのだ。
 齋田さんは焼締めの土臭さが好きだという。思い立ったら、すぐ作る。だから、夜中に作っている時もあれば、明け方に作っている時もある。本能のままに作るという。土は齋田さんにとって、自分の手で新しいもの≠生み出す素材なのだ。コツも何となく分かってきたような気がする。仲間がいろいろとアドバイスをしてくれる。「自分で作って売る。これは最高だなぁ」と、齋田さんはいう。
 現在、常滑陶芸会会長を務める。
 趣味は、家庭菜園でスイカを作ることだ。
(赤井伸衣)