海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 今、徐々にだが私の作品を気に入ってくれる人もいるので、急須作りに没頭する時間が楽しいと話す森下松斎さんは、やきもの散歩道のコース近くに工房を構える。工房内は松斎さんの性分なのだろう、ロクロもヘラも作品も全てがきちんと整理整頓されている。やきもの散歩道を散策した人たちが、チラッと工房を覗いてくれるようになったと喜んでいる。工房を覗いてくれるという人たちを自分への刺激としていきたいという。表情はどこか嬉しさを隠しきれないようだ。
 小西洋平氏に、心と陶技を学んだ。作品の多くは朱泥急須と窯変急須だ。土に強いこだわりがあるようだ。急須作りで心掛けていることは、急須の口の長さと手の長さという。この2つで全体のフォルムの美しさが際立つという。もう一つのこだわりは茶こしだ。胴体に直接穴を開けるという昔ながらのやり方を採用していることだ。手作り急須の良さはロクロで挽いたままの形が一番美しいと自負している作家の一人である。だから、作品に模様を施すことなく、ロクロを引いた時に自然に出来る手の跡だけが残っている。極上の手触りと暖かさが松斎さんの感性の豊かさを伝えてくれる。豪華さはないけれども、シンプルなだけに、ごまかしのないずしりと重い仕上がりの急須となっている。胴体から木の幹が出ているようなイメージで、急須は出来上がる。
 急須を作り続けて30年が経った。30年間やってこれたのは、自分に合っていたからと過去を振り返った。これからも、変わったことをやるのではなく、普通に普通のことをやっていきたいという。
 2年程前から、「手づくり急須の会」に入会した。手づくり急須の会ではグループ展、焼き物まつりや小学生にお茶を楽しんでもらう会を企画している。
 趣味はツーリングと旅行。
(赤井伸衣)