海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 今年の3月まで常滑市陶芸研究所に通っていた。授業の一コマに一つのものをたくさん使って、違う形を作る(集合体)という課題が与えられた。なんだ、何でもありじゃないかと手掛けた作品は、常滑市美術展で『市長賞』を受賞した。作品名は「幾何学の階段」。三角のオブジェを多数使い、階段に見立てた作品だ。
 彼女の作品は実にさまざまだ。ピンク色の器、渋い灰釉の皿、ブルーがとってもきれいな和紙染の皿、絵付けのボールであったりと、色もさまざま、技法もさまざまだ。
 絵が描けず、教室に通ったという。時には、気分のおもむくままに落書きをしてみたり、自分らしく、自分の絵の世界を楽しんだりしている。この人は何かを作ったり、表現したりすることが根本的に大好きなようだ。
 伝統工芸が好きなので、いずれ、伝統工芸に進みたいと。そして、一つのことを追究したいとも話した。だから、伝統工芸展は毎回楽しみにしている。彼女自身も表現者であって、表現者として新鮮な刺激を受けているのだろう。そこで出合った、まだ見ぬ世界に影響を受け、世界観が変わり、一喜一憂しているのだろう。
 ハワイの夕焼けを表現した「H.E.Feat.S」(写真)は、陶芸研究所時代の作品だ。ハワイの夕焼けは紫色からピンク、オレンジと変化していくということを一瞬の発想で作った。この作品にメッセージ性はなく、発想のおもむくままに、ただただ好きで作ったという。ハワイに行ったことがなければ、ハワイの夕焼けを見たこともない。それなのに、色だけでハワイの夕焼けの美しさに引きずり込める彼女の感受性は、すごい。誰にも似ていない感受性と存在感。ナチュラルで飾らないスタイルが、カッコいい。
 彼女は驚くほどにポジティブな女の子。そんなにポジティブで疲れないのかなぁ…と、思ってしまう。
(赤井伸衣)