海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 とこなめ焼卸団地にある方円館は、私にとって大好きな場所のひとつだ。店内は日用雑貨全般から作家ものまで品揃えは豊富である。現在は来年の干支が多く展示されている。ギャラリーも併設され、伝統工芸士や新進気鋭の若手作家などが定期的に個展を開いている。
 その方円館で店長を務める片寄和美さんは、私の少し年齢の離れたお友達だ。作家からの絶大な信頼があり、圧倒的な支持を得ている。同僚からは慕われている。片寄さんと話すときの私は、ちょっとした肩張り感があり凛としていて、私には少々手強い相手のようだ。
 作家というのは、よいものを作るためには時間も手間も惜しまない、職人気質だ。片寄さんでなければ分らない作家の人柄や苦労話も作品といっしょに説明してくれる。作り手の顔が見える安心感も嬉しい。焼き物の無限の広さを知っているだけあり、豊かな発想で新感覚の使い方を見出し、提案する。いろいろな要素を自己流のバランスで楽しむ方法を教えてくれる。説明を受けた後は自分用に、ギフト用にと購入する人が多いと聞く。贈った人も贈られた人も、きっと記憶に残るギフトになったことだろう。
 気難しさを感じる作家たちにも、片寄さんは気おくれすることなく、時にきついアドバイスもする。「こういうのいいなぁ」という思いを提案し、作ってもらう。毎回、片寄さんからの提案に、とんでもない緊張感の中で作品を作り出す若手作家もいる。片寄さんが経験してきた話の中に、たくさんの答えがちりばめられている。ちょっとした心遣いが片寄さんの懐の深さだなぁと思ったりもする。私にとっては、スパイスを効かせたお姉さん的存在の人だ
(赤井伸衣)