海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 限りなくシンプルで自然体な海里さん。日々の暮らしには、ゆっくりとした時間が流れている。
 「海里」とは彼女の父親が付けた、あだ名のようなものだ。物心ついた頃から「海里」と呼ばれていた。実家は、美浜にある。周りは、コバルトブルーの海が広がっている。
 趣味で陶芸をしていた彼女が交通事故に遭ってしまったことから、本格的に陶芸を始めることになった。製陶所でアルバイトをしながら、伝統工芸士や急須職人を自らの足で訪ね歩き、技術を習得した。常滑には、快く教えてくれる人の温かさがあるという。
 そして今、彼女らしいといえば、トルコ青という釉薬を使った作品だろう。白っぽい土にトルコ青の釉薬をかけて、酸化で焼くとマットな青になる。多くの作家がこの技法を使うが、彼女の場合は少し違う。赤土にトルコ青をかけて、還元で焼くと青銅色になる。この青銅色は彼女にとって、大好きな色だ。この青銅色こそ、彼女がずっと追求し続けている色なのだ。時に、この青銅色は彼女の生まれ育った美浜の海にも似ている。窯から出される作品に、故郷の海を重ね、凛とした気持ちになる。今、出している青銅色に満足はしていない、今後も究めていく色だと、彼女はきっぱりと言う。
 1年に1回は個展を開くように心掛けている。昨年12月の個展では、「青銅色が珍しいね」と言って、購入してくれた人がいた。贈り物は自己表現の一つですからと、プレゼント用に購入してくれた人もいた。
 近い将来、薪窯を持ちたいと話してくれた。
 趣味は、ショッピングとクラシックバレエだ。
(赤井伸衣)