海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 きらめく太陽と田園風景が広がり、農道を岡さん愛用のカブがイキイキと走り抜ける。和歌山県から陶芸を学びにやってきた彼女を想像するには、ピッタリの光景だ。故郷・和歌山の風景と重ね合わせながら、常滑での生活を楽しんでいる。
 やきもの屋を経営する両親の影響で物心ついた頃から、やきものは身近に感じていた。高校2年生の頃には『ふぁっと、陶芸をやってみようかなぁ…』と思ったといい、卒業後は常滑市陶芸研究所に入所した。共にいるだけでくつろげる同期の仲間や素敵な講師、所長に恵まれ、人生の勉強になったという。
 遠慮がちに作品を広げて見せてくれた。その作品に彼女は、どんなメッセージを託したのだろうか。私は、彼女の本音を探ってみようと思った。彼女は、花入れや生き物のオブジェを手がける。以前、美術館で見かけた中東の土器に目を引かれたという。そのセピア色の土器に彼女の胸は熱くなった。そして、最も彼女が得意とする架空の動物をイメージしたオブジェが誕生したのだ。アイデアは抜群、でも、どこか化石ぽくって、ミステリアス。なぞめいたオブジェたちは、いずれも彼女の個性を誇るアートたちばかりだ。
 彼女は、陶芸教室の講師を務めている。陶芸を教える仕事を通して、いずれ子どもたちに自然教室的なことを教えたいと話す。彼女の心の中にイキイキと輝き続ける故郷の田園風景に思いをはせ、今だからわかる夢や感動、希望を伝えたいのだろう。故郷・和歌山は特別な場所として、彼女の心に刻まれている。
 今月15日(金)から31日(日)まで、ギャラリーセピカで、残暑見舞グループ展に参加している。
(赤井伸衣)