海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 会社を退社した。焼き物が大好き。焼き物が趣味と自覚していたはずなのに、趣味が高じて陶芸家としての第一歩を踏み出したのはつい最近のことだ。生まれたばかりの子どもを背負い、共栄窯セラミックアートスクール特別研修を受講し、卒業後は常滑に工房を構えた。現在、2年目を迎える。
 伝統的な技法である透明釉だけで御本手(赤みを帯びた斑文)を出し、呉須(磁器の染付に用いる藍色顔料)で絵付けをする。絵付けをする題材は桜≠セ。絵付けをした桜≠ェ手描きだといえば、皆が驚く。丁寧な仕事に、陶芸仲間は繊細だけれども、その繊細さが邪魔をしていないと称賛した。「御本手が景色となって、飽きのこない器に、なっていると思います。一つの窯から出来るのは半分もないんです。何んといっても、柔らかい印象と手描きだからこそ一点もののよさがあると思います」と、自らの作品について彼女は語ってくれた。器の内側、裏側、正面と、どの角度から眺めても桜≠見ることができる。彼女は一点一点手を抜くことなく、絵付けをする。うっとりして、つい見とれてしまう。その一点一点が異なる桜≠フ精神美は、どれも気品に溢れていた。
 これとは対照的に、イメージは布の模様といい、象嵌(陶磁器などの材料に模様を刻んで、金・銀・赤銅をはめ込む技法)をしているグレーのカップは、遊び心のあるモダンな印象を受けた。「雑貨屋さんみたいに可愛いのが、やってみたくて」といい、作ったものだという。
 彼女は蓮≠ノ神神しく、神聖なイメージをもっている。次は、蓮≠フ絵付けに挑戦してみたいといった。いつか、個展を!!と奮闘中だ。
 「私の作品は桜≠ゥら始まっているから」といい、専らの趣味は桜の塩づけ、桜もち、桜ごはんを作ること、桜づくしだ。
(赤井伸衣)