海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 作品のテーマは『光と絆』。光は器を表し、友情であったり、家族・恋人への信頼を表現し、絆はオブジェを表し、人と人との間にある見えない関係を自分なりに表現している。作品を作ることによって、人と人が出逢い、光を感じてもらい、明日へのエネルギーや希望となればと、彼女は願っている。
 これは、彼女が第2の故ふるさと郷という常滑での初個展で語ってくれたものだ。
 その初個展は、3月上旬に常滑市・やきものギャラリーCEPICAで行われた。蓋を開けた時に感動する作品や、思わず蓋を開けてみたくなるような蓋物作品作りに心掛けたというように、青白磁の蓋物や食器など、多数展示されていた。蓋を開けた時に希望を感じてほしいという彼女の願いは私に届くのかと、私は皮肉にも全ての蓋物の蓋を開けてしまった。そこには、彼女のしなやかな精神と、彼女のその心がどんどん大きくなってくるのが伝わってきた。
 土を触ってみたら、土の感触が面白かったと思って始めた陶芸も十数年になる。彼女は、青白磁の虜となっている。焼くとピンクの釉薬がブルーに変化し、キラキラと光ってくる。美しいなぁーと思うと同時に宇宙・地球・空・海・自然の中にあるブルーと重なる要素があると話す。彼女には、職人的な探求とともに繊細な美的感覚を求めても、裏切りはしないだろうなぁーと、いう思いがした。
 約6年間を過ごした常滑には、友人がたくさんいる。9日間の個展期間中は、毎日のように友人が訪ねてきてくれた。その多くの友人は、母となっていた。「私だけ、行き遅れちゃったよぉー」という。同性だけど、すごくカワイイ。
 個性豊かな仲間に出逢うことができて、刺激を受ける−こんな時は、焼き物をやっててよかったなぁーと思うと、いう。将来の目標は、漠然としているけれど、いい物を作りたい。精神的にも技術を磨いて、シンプルな丸いお皿で勝負したいと、熱気がこもっていた。
 この人から、今後の活躍に目が離せそうにもない。
(赤井伸衣)