海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 昨年、やきもの散歩道に新たな名所が誕生した。誕生したのは、ギャラリー雄だ。ギャラリーには、オーナーの吉田信義さんの作品も並ぶ。以前から残存していた平屋造りの建物に、新しい息吹を吹き込んだギャラリーには、ちゃぶ台があり、火鉢があり、庭がある。そして、日本の原風景が醸し出す素朴な味わいがある。庭を眺めながら、お抹茶を一服いただくのも趣きがあるだろう。ぜんざいで、軽く腹ごしらえするのもいいだろう。ここは、郷愁を誘うスポットだ。
 ギャラリー内の片隅を自らの工房として、とんぼ玉を作っている女性がいる。その人は、石井さやかさん。とっても人なつっこい女性だ。
 とんぼ玉とは色文様のついたガラス玉で、紐を通す孔のあいた装飾玉のことを指す。とんぼ玉の歴史は古代までさかのぼり、メソポタミアでは古代バビロニア王国で紀元前16世紀頃から、エジプトでは新王国で紀元前15世紀頃から、ガラス製の玉が作られるようになった。約3500年の歴史があり、現在では世界各地で多種多様なとんぼ玉が作られている。
 彼女は中学生の頃にとんぼ玉に魅せられ、即ガスバーナー、棒ガラス…などの道具を購入し、独学で始めた。彼女のとんぼ玉は色合がカラフルで繊細な文様が特徴だ。見れば見るほどに、あれもこれも欲しくなってしまう。キャンディーのように甘くて、美味しくも見えてしまう。「自分の中で直径1cm、2cmと満たないとんぼ玉に宇宙を感じる。飽きることはない」と、彼女はいう。彼女のとんぼ玉は、女性が自分のために購入するという。「もっと、もっと、とんぼ玉を親しんで欲しい」と、彼女はいった。とんぼ玉には、作り手の個性が出るといわれる。今後、彼女のとんぼ玉が、キャンディーのように甘くなっていくのか、それとも、色っぽくなっていくのか、どう心地よく進化していくのか、楽しみだ。
 趣味はスキー、スキューバーダイビング、水泳。ストレス発散はお菓子作り、庭木の剪定。夢は小型飛行機の免許取得。素顔の彼女は、どうやら、アウトドア派のようだ。
(赤井伸衣)