海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 久田さんの実家は、祖父の代から盆栽鉢を作り続けている。焼き物に精通した祖父の影響は、久田さんの幼心に色鮮やかな残像となっている。現在、自らも柔軟な発想と独創的なセンスで、作品を生みだしている陶芸家でもあり、有限会社マルヨ久田製陶所の経営者でもある。
 久田さんのモットーは「考えるより、やってみないとダメ!!」。ふとアイデアが浮かべば、すぐ試してみる。子どものらくがきから、アイデアが浮かぶこともある。そのらくがきから生まれた皿は、東京のマダムの心をギュッと掴んだ。童心に返ったかのようなチャーミングな皿だった。久田さんにとって、子どもの存在は大きい。時に、マンネリ化した作陶を刺激することもある。作品に、ちょうどいいリズムを生むこともある。個性的で遊び心の詰まったらくがきと、久田さんの黒織部の組み合わせは絶妙である。
 また、独自の技術で独特の明るい緑色の織部を出すことは有名である。この明るい緑色の織部は、久田さんの内に秘めたものを強く感じさせる。これは、洋食にも使える器を作りたいという、一途な創作姿勢から始まっている。
 久田さんは日用雑器の他に、盆栽鉢も手がけている。伝統の古さに現代的なデザインを融合させ、遠目には主張が少ないが、機能性と和みを追求することに成功し、個性を引き出した盆栽鉢に仕上がっている。洋風の部屋にも違和感は不思議と感じられない。インテリア性も重視した話題の盆栽鉢だ。こちらの盆栽鉢もファンに大歓迎されている。
 生まれた時から、焼き物は久田さんの隣りにあった。「20歳から始めた焼き物だが、やっと、織部を生かした器作りがわかってきたのかなぁ」と、確立した自信がみなぎっていた。
(赤井伸衣)