海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 彼女は、3人の子どもをもつ母親でもある。PTAの陶芸教室で、初めて粘土をさわることになった。粘土は、彼女を夢中にさせた。本格的に陶芸を始めようと思い、2003年度の共栄窯特別研修コースに通い、技術を磨いた。卒業後は共栄窯内に工房をもった。
 今、彼女は学生時代にやり残したことを探し求めている。
 私が訪ねた日は、初めてのグループ展を3日後に控え、フル回転であった。なかなか積極的に行動をしなかった彼女だが、今回のグループ展は「ぼちぼち、試作品をもって営業活動をしようと思っていたところに、友人からグループ展の誘いを受け、挑戦してみることにした」という。彼女にとって、外部からの評価がほしい時期がきたのだろう。連日、西尾の自宅から常滑の工房に通っていた。日に日に、ロクロに向かう時間も長くなっていた。この日の夜も工房で過ごすといった。
 水色の色化粧をした器は、食材をどう生かすのか、私には、わからない。それぞれに言い分があると思うが、ならば、私は、この作品に「チャーミングないたずら」とでも命名してしまおうかとも思ったりする。そして、私の関心は素焼きの作品から「チャーミングないたずら」の作品を手がける、彼女本人へと傾いていった。その「チャーミングないたずら」は、目で楽しんでよし、手ざわりを楽しんでよし、五感で楽しめる器だと彼女はいう。彼女は、売れる物は作りたくないという。ぼちぼち歩き始めたばかりなので、今は、未来へのシナリオも考えたくないようだ。
 陶都・常滑には陶芸に適した環境がいたる所にある。仲間もたくさんいる。これからも、常滑を拠点に活動するつもりだ。家事をせず、好きなことをさせてくれる家族に感謝していると話した。
 8月に行われる焼き物まつりに彼女も参加を予定している。
(赤井伸衣)