海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
陶芸家 浜坂尚子さん 陶芸家 浜坂尚子さん ちょっとおじゃまします
 浜坂尚子さんのおしゃべり、軽妙な笑い、情熱は、ほんのり甘く感じる豊かな人間味に溢れている。父は画家、母は声楽家のご両親をもち、姉、兄も芸術の道に進んでいる。そんな芸術一家が、とても刺激的だったようで、自らも陶芸の道を選んだ。
 大学卒業と同時に吉川千香子氏に師事する。憧れの千香子氏の工房に足を踏み入れる緊張感にワクワク、心は踊り、仕事はとても幸せなものだった。豊かな自然に囲まれ、夕日の美しい常滑は彼女をやさしく迎えてくれた。と、4年前を振り返る。実は、彼女の出身は東京。何故か、都会のスマートさがない。「友人にも言われるんですよ。浜ちゃんは常滑が似合ってる」と、いつもの笑顔で話してくれる。その笑顔は、眩しいほどに素敵だった。
 彼女の作品は美しく可愛い、日常の生活で心惹かれる、とてもカラフルなものだ。そのカラフルさが私には新鮮に映る。磁器(白)にブルー、ラベンダー、イエロー、オレンジ、レッドの色の模様が華やかに施されている。色を自由奔放、思うがままに無心に描く模様には、「色って、私に元気を与えてくれる。その元気をみんなに分けてあげたい。楽しい気持ちになってほしい」という、披女からのメッセージが込められている。
 今年は彼女にとって、大きな転機の1年だった。千香子氏から独立し、工房を構えた。そして、彼女を育てつつある常滑で初個展を開いた。自分のやりたいものばかりを並べたという、初個展。「たくさんの方に見てもらい、嬉しかった。これからがキュキュッという感じ。なので、大変」と想像をはるかに超えた来客者に感謝の気持ちを忘れなかった。好評だった作品に、確かな手応えを感じたようだ。彼女の限りなく続くアイデアは、焼き物の多様性と可能性を示唆している。「常滑から、新しい風を吹かせるぞ!!」と言わんばかりのエネルギーに、私は胸をくすぐられていた。
(赤井伸衣)