海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
辻本 路さん 辻本 路さん ちょっとおじゃまします
 陶芸を始めて6年。彼女を小柄で可愛いという人がいる。が、作品は彼女の容姿と対照的に大胆で、しかも、力強さを感じるものばかりである。
 過去に制作した作品を写真で見せてくれた。多彩な作品を見ながら、目を奪われるものがあった。『100個の箱』と題した2,3m程の作品だ。100個の器に自分の中の景色を表現したのだという。私の想像をはるかに超えた冒険と可能性を楽しんでいるかのようにも思える。何故か不思議な説得力のある魅力的な作品である。
 また1つ、作品を見せてくれた。マンガンの釉薬で箱とは全く違うイメージを受ける。地味で渋く、泥くさい印象を受ける。が、これが私の誇り!と、いっているようだ。少し変わったものを見つけた。硯のような箱も陶器だという。黒陶という技法で作った箱だ。「土なんだけれど、木のような軽さがあり、磨いたら石のような感じが好き」と、説明をしてくれた。彼女は、どうも箱が好きらしい。箱という空間で、自分の存在を投影している。少し難しいテーマかもしれないが、なかなか粋な表現方法かもしれない。
 彼女は、漁港と素朴な味わいの町並みが残る常滑が大好きだ。港に行けば、中部国際空港のぜいたくな夜景を楽しめる。やきもの散歩道は存分に楽しみたい絶好のロケーションだ。静かに時間が通りすぎていく。そう、ロマンチックに答えてくれる。
 趣味は料理。今、スパイスの組み合わせの発見に夢中だという。
 今後は、マットな感じの釉薬に挑戦したい。作為のない作品を作りたいと、禅問答のようなテーマをもって、陶芸はずっーと続けたいと、最後まで謙虚な姿勢を崩さずに話してくれた。
(赤井伸衣)