海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
陶芸家 中塚奈美さん 前田亜希子さん ちょっとおじゃまします
 彼女との出逢いは、「私のいとこに似てる」「私のお姉ちゃんに似てる」という挨拶から始まった。お互い、不思議な親近感をもったのは確かだ。
 常滑は陶芸家の宝庫である。彼女もその宝庫に魅せられ、修業中の一人だ。ご両親の陶器への趣味の影響で、焼き物は身近な存在だった。大阪を離れて、2年。都会育ちの彼女だが、どういうわけか、この常滑がよく似合う。
 彼女は週6日、「まるふく」で陶芸教室の講師を勤める。カメラを向けると、とたんに顔を手で覆ってしまった。写真を撮られることに少々の不愉快さを感じている。そして、「まるふくの奥さまと一緒なら…」と返事をもらい、撮った写真が、このツーショット写真だ。奥さまは「チャンスだから、頑張りなさい」と、母のような眼差しで彼女に毎日のようにエールを送っている。「彼女が今後、どんな成長をみせてくれるのだろうか。」そう、いって嬉しそうに彼女を見つめていた。
 彼女の作品は半磁器の模様をほどこした、食器が多い。やっぱり、女の子だなぁ…と思ってしまう、ハートマークの湯呑はメルヘンチックな印象を与える。可愛らしいイラストに思わず、笑みがこぼれる。が、「本当は、ゴツゴツしたカッコいいものが好きなんです」と、自身の作品と反対のことをいう。「じゃぁ…」と立入禁止区域ぎりぎりの質問に、「ちょっと凝りたいんです」と、あいまいな返事をする。ピッタリと当てはまる言葉を見いだせずに苦心している。はにかみがちのあの笑顔、どんな返答でも愛嬌で許されてしまう。そんな彼女が、とてもいとおしく見えてくる。
 彼女は今年、常滑の夏の祭典「とこなめ焼まつり」に初めて参加した。同世代の女の子のハートを、がっちりとつかんだ。客のアドバイスに耳を傾け、可能な限り応えようと、努力している。次の目標も決まった。「とりあえず、走っていこう」
「まるふく」奥様 近藤さん
(赤井伸衣)