海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
 ギャラリー共栄窯に隣接する貸工房内をのぞいてみると、つぶらな瞳の女性に出合った。ちょっぴり微笑みながら、警戒心のない様子で話し掛けてくる。その人とは、古き伝統と若い感性が融合する常滑に生まれ育ち、誰よりも故郷をこよなく愛する福永千秋さんである。
 彼女の手掛ける作品は、青と白のコントラストが美しい練り込みの湯呑・小皿、織部の大皿、粉引きのそばちょこ・花瓶…と、実にさまざまだ。その多くの作品の中から、今、彼女を夢中にさせているものが、練り込みという技法を用いた作品である。いろいろな練り込みを見せてくれた。ガラスと思わせる透き通る鉢に、斬新さを感じる。「織部は…、やっと自分の色が好きになってきた」といい、手応えを感じているようだ。彼女の織部は、自信とゆとりがにじみ出ているかのような出来ばえとなっている。
 3年続けて、面白くなければ辞めてしまおうと、軽い気持ちで始めた陶芸は、今年で5年目になる。「土・水・炎…と、自然の力をあやかりながら作品が出来る。自然の力には勝てないが、自分の思いを表現していきたい。自然から生まれる色は美しく、この美しさを伝えたい」という。彼女の陶芸にかける熱意は、陶芸ファンの気持ちをきっと、つかむことだろう。
 「趣味は食べること」といい、ドッと心から笑った。そして、「日本文化に興味がある」という。しきたり、工芸品、書…と、高尚な趣味の持ち主だ。最後に目標も聞いてみた。茶道に興味があるらしく、自分で作った道具でお茶会を開いてみたいと、話した。品格のある女性であった。
 彼女の作品は、ギャラリー共栄窯で展示・即売されている。
(赤井伸衣)