海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
 久しぶりに気分が高揚していた。会いたくなる人がいる。常滑市在住の若手陶芸家、栢野紀文さんである。一年程前に工房を構え、日中は弟子として腕を磨き、夜・休日に作陶をしている。マイペースでありながらも、好奇心旺盛で常に刺激を求め、全てに挑戦したがる青年だ。面白いことは何でも実践する彼は、今、磁器に凝っている。「磁器の土は扱いにくいが手びねりも出来るんだよ、冒険もいっぱいある」と、いろいろ教えていただくなかにも、実に楽しそうであった。
 初個展を20日後に控え、どんな作品が出来上がっているのだろうかと、工房を訪ねてみた。期待は大きく裏切られた。作品らしき物はなく、出展を予定している焼酎瓶を見せてくれた。赤・黄・青・緑・・・と、きれいな色で色付けされている。窯から出した焼酎瓶から初個展のタイトルが生まれたと、話してくれた。それは、焼酎瓶を絞ったら、ほんのり甘く、すっぱい初恋に似た美味しいジュースができるのではないか、遊び心をいっぱい詰め込んでみたいという思いから"Juicy"と、名付けたと話された。
 常滑の町の良さを伝えよう、伝えたい−そんな強い思いから、土管をアレンジした作品も出展する予定と教えてくれた。美を再発見している、情熱的な姿に、初個展は成功してほしいと思わざるをえなかった。アイデアを絞り、なかなか面白い趣向になりそう・・・と、私は今から心を踊らせている。
 話していて、いつの間にか、自然体の私がいた。自然と心がほぐれていく。緊張感をほぐしてくれるゆとりが彼にはある。
 5日(土)〜13日(日)セピカで初個展を予定されている。気軽に出掛けて、彼の人柄・感性・熱意にどっぷりと浸ってほしい。13日には、”クローズ オブ パフォーマンス”(打上げ)が予定されている。こちらもぜひ出掛けてほしい。
(赤井伸衣)