海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
 彼女との出逢いは二度目。なぜだか、初めて私が彼女の名前を知った時と同じようなワクワクした気持ちがあった。
一度目の出逢いは三年前だった。陶芸体験をした時の講師が彼女であった。私は恐竜の箸置きを十個造ったのを覚えている。今、その恐竜の箸置きは使わずに私の部屋に飾ってある。私が陶芸体験をしたことを彼女は、とても鮮明に印象深く残っているようで、その時の様子を話してくれた。
 二度目の出逢いは今回だ。彼女にとって、初個展となる会場におじゃまさせていただいた。初個展の感想を「不安だらけ」と、心細い心境を話す。でも、彼女の作品を鑑賞に来る人は多い。赤土を使い黒化粧をした皿、独特な幻想的な世界を作り出している掛け時計、白化粧した湯呑みなどが、会場を賑わせていた。それらは、最も得意とする掻き落としという技法が使われており、メルヘンチックな作品だ。彼女に合った瑞々しい世界を表現している。
 常滑のよさを聞いてみた。「常滑、ええなぁ〜」と、関西弁で返ってきた。物作りに対して積極的であり、若者を好意的に受け入れてくれる常滑に四年前、移り住んだ。海があり、焼き物の街並みを現在も残している常滑を満喫しながらも、「蚊が多くって、困っている」と、実に素朴で素直な返事も返してくれた。
 得意料理も聞いてみた。関西人らしく、たこ焼きと言う。一度に三十個作れるプレートを持っていること、ソースにも強いこだわりがあることなど、得意気に話す。あれこれと話すうちに、たこ焼きのホームパーティーを開こうと盛り上がり、近日中に開く予定だ。
 焼き物の町、常滑で多くの強敵がひしめき合う中、次の目標を「焼き物の原点である韓国に行ってみたい」と、静かな闘志を語った。
 個性がはじけていて、初々しさを感じさせてくれる女性であった。
(赤井伸衣)