海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
 工房は市街地に程近く、爽やかな風が吹き、夏の日差しが眩しい開放感のある環境の中にある。工房を訪ね、思い出す風景があった。以前訪れたハワイと似ている。そんな感じのするところだ。
 各国の伝統的なトンボ玉をビーズと組み合わせたハンドメイドのジュエリー、自らデザインしたシルバージュエリーの製作、海で見つけた流木と和紙のハーモニーをも作品にしてしまう。とても器用な方である。中でも、金属工芸は最も得意とする分野である。
 自らの金属工芸をジュエリーと呼ぶ。ジュエリーとアクセサリー、どちらも同じ意味の言葉だが難解すぎてると、指摘する。多くの人がもっと、ジュエリーを無理なく親しみを持って日常的なものにしてほしい−そんな思いから、ふだん着にも似合うシルバーやいぶし銀のジュエリーを主に製作している。製作の過程で常に上位なものをと、心掛けている。多彩な作品の多くは強い主張があるのに、おしつけがましくない、市原さんらしい作品の仕上がりである。日本的な女性の柔らかさに隠された強さを表現しているかのようにも思われる。
 何故、シルバーばかりのジュエリーにこだわるのか尋ねてみた。ちゃめっ気たっぷりの笑顔で、「銀とは相性がいいから」と、返ってきた。時間をかけて作るシルバージュエリーは、市原さんの性格にピッタリ合っているようだ。
 「物を作るって楽しいよね。目に見えるから。評価される喜びもあるから」と、造形家としての魅力を話された。自分の個性と考えを強く持っている、それでいて母のようにやさしい、そんな素敵な女性という印象を受けた。
(赤井伸衣)