海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
 立春がすぎると日が長くなり、日差しも明るくなり、なにやら、ほかほかと暖かい気持ちになってきます。そして、これからの雨は、降るごとに春を待っていた草木の芽を大きくふくらませます。
 野山の陽だまりには、あせび(馬酔木)、さかき(榊)などの花が咲き始め、生臭い匂いを放ちます。その匂いに誘われるかのように、子どもたちは野山に出かけていくのです。
 同じ時期の同じ場所に先ずは行き、今年も「きちあそび」ができるかを確かめるのです。
 「きち(基地)」は、地方によって「す(巣)」や「じん(陣)」といわれています。
 愛媛の南予地方では、「す(巣)作り」を3月から始め、4月3日(雛祭り)を待つのです。

 この巣作りは、赤松の下にこんもりとしげっている馬酔木や榊などをさがします。それも、子どもが4、5人入れるものです。今思うと、そんなしげった木のあったことが夢のように思えます。
 その場所は、小高い禿げ山であるから、いろんな遊びができました。だからこそ、代々受け継がれてきた場所なのでしょう。
 4月3日には、男の子や女の子もいっしょになって、「す(巣)」の場所に行って「ちゃんばら」や「かくれんぼ」や「鬼ごっこ」などをするのです。そして、腹を空かせると、2段、3段重ねの重箱に入っている「まきずし」「きつねずし(いなりずし)」「もりあわせ(タルト、羊羹、寒天、かまぼこ、高野豆腐や人参や里芋などの煮付けなど)」を頬張ったものでした。

 「きちあそび」の場所は本来、秘密の場所なのです。まずは、一人か子ども同士がだれにもわからないように、作っていくものです。子どもだけの時間と空間のある場所です。時には、その場所は危険な場所であったりします。見つかって叱られては見つからない場所へと知恵を出し合いながら「きちあそび」がいつもあでも続くものと、期待をしています。