海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
元気のでてくることばたち 村上信夫NHKアナウンサー

赤井さんとの縁
  「浪速のロッキー」といわれた赤井英和さんとは不思議なご縁があり、ずっと会いたかった。
 僕が赤井さんに会いたいと思ったのは、戦国時代の武将、赤井悪右衛門直正の子孫だと知ったからだ。赤井直正の居城があった兵庫県丹波市春日町黒井は、僕の父の生まれたところだ。赤井直正は郷土の誇りで、父から何度も何度も話を聞かされていた。幼いころ、祖母の家に遊びに来ると、黒井城跡のある城山には、よく登ったものだ。

 赤井直正は一三回戦って、一度も負けたことがないという。あの明智光秀も撃破した。織田信長も一目置く猛将だった。赤井さんも一二回連続KO勝ちしているのは、先祖の血が流れているからかもしれない。
 「ご先祖さんのおかげやと思います。うちは父親が赤井家に婿入りしたので、赤井は母方なんですが、丹波には毎年墓参りに行っています」

父から父へ
 対面した日、赤井さんは、終始、御機嫌だった。
 それもそのはず、対談する日の直前、長.男の英五郎さんが、全日本アマチュアボクシング選手権の出場権を獲得したばかりだったからだ。
 「アマ日本一になる可能性は?」と問うと、「ありますよ」と言い切っていた。贔屓目に見なくても、素質があるという。20歳のとき、ボクシングをやると言われたときは嬉しかったと目尻が下がる。4年後、東京オリンピック出場を目指している。父の果たせなかった五輪の夢が叶うかもしれないのだ。
 息子も父の背中を見て、同じ道を歩み始めたが、赤井さんも、父の影響も大きく受けている。父は、とにかく真面目で、鋼のようにビシッとしていた人だった。
 父にはよく「時間は守りなさい。人に会ったらきちんとあいさつしなさい」と言われて育った。その教えは、いまに至るまで身についている。

 「喧嘩ばかりしていたイメージで語られていますが、そうでもないんですよ。大勢の人に自分を知ってもらうためにやっていた部分もあります。売名行為というより、アピールですね。何かに反発していることもなく、学校も好きで楽しかったし、家族もみんな仲がよかった。うちは漬物店をやっていたので、母親が夕飯の支度をするときは、子どもたちで店の片づけを手伝うのが当たり前でした。外でやんちゃしていても、六時になったら戻っていました」
 父は海軍の教官だったのに、戦時中には珍しく、教え子を殴ったことがないという。
 だが、赤井さんは、一度だけ父に殴られたことがある。高校一年くらいのとき、遊んで夜中に帰ったら、いつもは寝ているはずの父がそこにいた。
 「お母ちゃんはお前が帰ってくるまで心配で寝られへんのや」というので、「だからいつも先に寝とけといってるやないかい」と言い返したら、「わしはお母ちゃんが大事なんや!そのお母ちゃんを悲しませる奴はいらんのじゃ。出てけ!」と殴られた。
 母は、ボクサーになることに大反対していたのに、赤井さんの新聞記事を全部スクラップしていた。「実家にはポスターやらトロフィーなどが部屋中に飾られていて、赤井英和記念館みたいになっていますわ(笑)」。
 赤井家は、二代に渡って、家族の絆が強く結ばれている。

役者として大切にしていること
 役者になるきっかけとなったのは、阪本順治監督との出会いだ。
 阪本監督がメガホンをとった映画『どついたるねん』の主役を赤井さん自身が務めたことで、役者としての今がある。ケガをしてボクサーとしての道を断たれた頃だったから、その出会いがなければ目標を失ったまま自暴自棄になっていたかもしれない。
 だから若い人たちには「最悪のピンチやと思っても、あとから考えたらあれはチャンスやったとわかる。ピンチはチャンスなんや」と教えている。
 「日々、いろいろな人に出会ってきたことが自分の財産だと思っています。だから一日経つごとに財産も増えていきます。今日、こうして村上さんとお会いしたことで、また懐が深くなったような気がします」と嬉しいことを言ってくれた。
 どんな質問にも、真摯に丁寧な口調で答えてくれる。はぐらかさない。つくづく大真面目な人なのだと感じた。台本も、何度も読み返し、人のセリフもノートに書いて覚え、自分のセリフの言い回しを考える。
 台本には、その人の限られた部分しか書かれていないが、そこに至るまでの人生をイメージして膨らませる努力をしている。
 無骨だが、一生懸命に取り組む姿に惹かれる。

■村上信夫プロフィール
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や『鎌田實いのちの対話』など、NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を回り「嬉しい言葉の種まき」をしながら、文化放送『日曜はがんばらない』(毎週日曜10:00〜)、月刊『清流』連載対談〜ときめきトークなどで、新たな境地を開いている。大阪で『ことば磨き塾』主宰。
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
これまで、『おはよう日本』『ニュース7 』『育児カレンダー』などを担当。著書に『嬉しいことばの種まき』『ことばのビタミン』(近代文藝社)『ラジオが好き!』(海竜社)など。趣味、将棋(二段)。

http://murakaminobuo.com


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■イネ・セイミプロフィール
フルート奏者として活躍中。俳画家。
絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。

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