海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
元気のでてくることばたち 村上信夫NHKアナウンサー

 俳優の榎木孝明さんは、食べ物をとらず生活するという30日間の「不食」生活を実践し、大きな話題を呼んだ。
 水や日本茶、コーヒーで水分をとり、糖分や塩分は飴で補給するだけで、食べ物は口にしない生活を30日続けた。健康チェックのために病院で寝泊まりしていたが、ドラマや取材ロケの仕事をしながら普段通りの生活を送っていた。不食中も古武術の稽古も休まなかった。ときどき家に帰って、自分は食べないのに、家族の食事も作った。「ボクは、家族の了解を得ずに一人で突っ張ってしまうところがあるので、妻はそこに不満があるようです。だから妻のご機嫌伺いも兼ねて…(笑)

宇宙から考える
 1956年、鹿児島県生まれ。劇団四季に入団し、「オンディーヌ」で初主演を果たした。退団後はNHK朝の連続テレビ小説「ロマンス」、フジテレビ系「浅見光彦シリーズ」、映画「天と地と」「半次郎」など数多くの作品で主演を務めている。
 長年、水彩画を趣味とし、毎年個展を開催している。20代から「薩摩示現流」を学び、殺陣を習得し、古武術も学び教えている。
 精神世界のことに興味をもったのは、20歳くらいのとき。毎日のように通っていた神田の古本屋街で精神世界の本に出合ったのがきっかけだ。
 20代から行き始めた内観のための一人旅も大きかった。ポーターやガイドもつけず、一人でヒマラヤに行った。インドに行ったときは、ものすごいカルチャーショックを受けた。「最初の頃は逃避行的な旅でした。日本での安穏とした生活が嫌で、自分の中からふつふつと湧き上がってくるものを鎮めるための旅だった」
 30代半ばにガンジス川のほとりで絵を描いていたとき、突然、気づきがあった。それまではインドに行けば救われるとか、自分の勝手な思い込みがあったが、インドに通いつめなくても自分は自分だと思えた瞬間があった。
 「以来、自分の絵も変わりましたね。東京の絵はまったく描けなかったのに、やたら都会の絵を描きたくなったんです。18歳で鹿児島から上京し、東京という街は無味乾燥で心が安らぐ場所ではないと思い込んでいましたが、宇宙から東京の街を見たら、人間が頑張って作った自然の一部なんだと思えた。するとビル群もすごくかわいらしく見えてきたんです」


 改めて不食の話。そもそも、なぜ不食をしようと思ったのか聞いてみた。「私たちは常識の枠の中で生きていますが、人間が本来もっている能力の限界を、身をもって検証してみたいと思ったんです。自分が新たな常識を作るくらいの気概があれば、人生をより広く深く楽しめると思ったんです」
 「人間の意識次第で、自分の肉体はいかようにでもコントロール出来、肉体と精神は作用しあうと思います。現代人は三食の食事をとるのが当たり前になっていますが、食べなくても生きていけると思います。決して食べないことを推奨しているわけではありませんよ。ただ、災害が起きてどこかに閉じ込められたときなど、よく72時間が生存の限界といわれていますが、それを越えられる可能性はあると思います。榎木は30日間食べなくても生きていたと思い出してくれたら、違う作用が働くかもしれません」

平常心が世界平和を叶える
 榎木さんは、来年は還暦を迎える。「時代の空気を見ながら、いろいろやっていくつもりです。昔、芸名の字画を相談した人に、大器晩成型。還暦を過ぎてから花開くといわれた言葉がずっと心の中にあって、いよいよ本領を発揮できるかなと(笑)」。
 一言でいうなら、世界を平和にすることに力を注ぎたい。伊勢谷友介さんや矢作直樹さんも、「世界平和のために」活動したいと明言していた。志ある人は、同じことを想うようだ。世の中のベクトルも、その方向に向いていくといい。
 「例えば私たちは普段、西側諸国の情報だけでいろいろ判断しがちですが、それ以外の国の意見にも耳を傾ける必要があると思います。自分の感性で考えてみると、もっと違う見方がでてくる。いまは報復につぐ報復により、負の連鎖がずっと続いています。それを断ち切るには、一人ひとりの意識を高めるしかありません。宇宙レベルで考えたら、国同士が欲望の延長で行っている戦争や領土問題など、ばかばかしくて意味がないと思えてくるはずです」。榎木さんは、常識にとらわれず、宇宙次元の見方で平和意識を高めていくことを考えている。
榎木さんは、ブログに「いついかなるときも、平常心を保てる日本人。地球を一つにできる和の心が日本人のDNAにはある。同じ地球人としての目覚めこそが、真の平和には必要だ」と書いている。
 彼が取り組んでいる「時代劇再生運動」も、日本人の美意識や礼節を呼び覚ましたいと思って始めた。時代劇だけに限ったものではなく、日本人が忘れかけている本来の精神を取り戻すための運動だ。地域再生や文化の継承につながる具体的な構想もあるので、国や行政、各界の方たちにも働きかけている。いろいろな場で発信し続けているうちに、その積み重ねが実を結んでいくにちがいない。
 榎木さんに、久しぶりにお目にかかったが、以前にも増して、力みが消え、志はさらに高くという印象だった。榎木さんは、常識にとらわれすぎると、人間が本来持っている能力を限定してしまうと思っている。世界を救う精神文化が、日本人の中にあるはずという信念がある。まだまだ常識とやらに縛られているボクなどは、足元にも及ばない。

■村上信夫プロフィール
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や『鎌田實いのちの対話』など、NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を回り「嬉しい言葉の種まき」をしながら、文化放送『日曜はがんばらない』(毎週日曜10:00〜)、月刊『清流』連載対談〜ときめきトークなどで、新たな境地を開いている。大阪で『ことば磨き塾』主宰。
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
これまで、『おはよう日本』『ニュース7 』『育児カレンダー』などを担当。著書に『嬉しいことばの種まき』『ことばのビタミン』(近代文藝社)『ラジオが好き!』(海竜社)など。趣味、将棋(二段)。

http://murakaminobuo.com


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■イネ・セイミプロフィール
フルート奏者として活躍中。俳画家。
絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。

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 と き:月2回 第2、4金曜日 午後1時〜3時
 会 費:1回 2,250円(3ヶ月分前納制)
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