海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
元気のでてくることばたち 村上信夫NHKアナウンサー

 260万部のベストセラー『声に出して読みたい日本語』でおなじみの明治大学文学部教授・齋藤孝さん。コミュニケーション力を培うためのノウハウは幅広い層に支持され、テレビや雑誌など各メディアでも引っ張りだこだ。久しぶりにお会いしたが、相変わらず、構えたところが皆無。大仰なところが皆無。「いやぁ、どうも、どうも」と言いながら、「無沙汰」のタイムラグなど毛ほども感じさせずに現れた。おなじみの黒ぶち眼鏡に、ラフなセーター姿。学生とみまがう。

明るい学生を育てる
 齋藤さんの教育を受けた卒業生は、どこに就職しても、職場を明るくすると評判がいいらしい。在学中に場を明るくするような訓練をしている。
 まずは、「ミッション!パッション!ハイテンション!」と叫んで気合いを入れる。そして、ストップウォッチで時間を計って、手短に一つの話をするという練習をする。
 最初にハイタッチしてから三〇秒で話をし、それが終わったらみんなで拍手をする。そうするとみんながどんどん明るくなっていく。「今の学生は、おとなしい子が多いから、自分のエネルギーをもっと外に出していくような練習をさせているんです」身体の内側にしまいこんでいる「気の力」を外に出していくわけだ。声は気の流れに直接作用する。入学したての学生は声に張りのない子が多いが、声を出す練習をすると変わっていく。
 さらに、話す時間を一〇秒と極端に短くする練習もする。すると、話のキレ味がよくなることがわかった。会話もポンポンと行き交うようになって、あっという間に意見交換が終わる。一〇秒しかないと思うか、一〇秒もあると思うか、時間感覚の問題だ。慣れると、一〇秒で大事なメッセージが話せるようになる。「僕もテレビのコメンテーターとして、もう残り時間がないというときに限って、僕のところに回ってくることが多いですね(笑)。言いたいことを先に言ったほうが得ですもんね」。

エネルギーは、ほめることに使う
 齋藤さんは、昔は今と違って、批判人間だった。「もともとは明るい性格なんですが、学生時代から三〇代後半まではうっ屈していましたね。論文ばかり書いていると、どうしても内向きになってしまって。大学院の先生の授業まで批判しちゃって、人生を棒に振った時期もありましたよ(笑)。今思うと、自分の力の出し場所がなくて、不満がたまっていたんだと思います」「エネルギーはためこむばかりでなく、適度に出していかないと新しいエネルギーが生まれてきません。僕も本を出版したり、いろいろな人や社会と関わることで精神の健康が回復していきました。だから人と向き合うことが大切なんですよ。社会の流れの中に身を置くと、血液が循環するようにいい気が流れてくると思います」
 ある時期から、「世の中にはいいものがあふれている」と考えを切り替えた。全方向審美眼を培った。虚心坦懐に、心底いいと思って褒めるようにしたら、風向きが変わってきた。
 そうして今は、人をほめてほめてほめまくる人間になった。人は自分がエネルギーをかけたところをほめてほしい、認めてほしいという思いがある。人は、どこにエネルギーをかけたかを見てほめられると特に嬉しいようだ。「女性がおしゃれをしてきたら、気合いを入れたと思われるポイントをほめるとか(笑)。今日は目がパッチリして見えるよとかね(笑)」。 人をほめるには、まず、枕詞に「いいですね」という。「さすがだ」という顔でうなずく。「ほう」「へぇ」の身体で聴くと、息がほどかれる。「でも」はやめて、ネガティブベールを取る。こうして、ほめる身体感覚を身につけていく。
 齋藤さんは嫌いなタイプは、あまりいないらしい。誰に対しても上機嫌で接することが出来る。「僕はわりと安定していますね。初めて会う人で、苦手なタイプかもと思っていても、話してみたらいい人だったということが多いんですよ」。
 それは、きっと、齋藤さんと話すことでその人の「いい人オーラ」が引き出されるためではなかろうか。自分の接し方次第で相手の反応も変わってくる。「年を取ってくると、どうしても威張った感≠ェ出てくるので、言葉づかいも大切ですね」。

雰囲気醸し力
 齋藤さんと話していて気づいたことがある。「ハイテンション!」と言っているわりに、話し方のテンションがずっと安定しているのだ。急にテンションが上がったり下がったりしないので、落ち着いて話せる。オーバーリアクションもなく、どんな話でも一様に興味を示してくれるので、気持ちよく言葉のキャッチボールができるのだ。急にヘンなボールが飛んでくることもないから、心にさざ波がたたず安心出来る。この新発見を、齋藤さん流に「雰囲気醸し力」と名付けてみた。気を配っていることすら感じさせずに、いい気を配ってくれている。だから、気を使わずに話せるのだろう。

■村上信夫プロフィール
NHKチーフアナウンサー
1953年、京都生まれ。
明治学院大学卒業後、
1977年、NHKに入局。
富山、山口、名古屋、東京、大阪に勤務。
現在は、「今日も元気で!わくわくラジオ」(ラジオ第一8:35〜)、
「BS将棋中継」などを担当。
これまで、「おはよう日本」「ニュース7」「育児カレンダー」などを担当。
教育や育児に関する問題に関心を持ち続け、横浜市で父親たちの社会活動グループ
「おやじの腕まくり」を結成。
趣味は、将棋。
著書に「元気のでてくることばたち!」(近代文芸社)
「おやじの腕まくり」(JULA出版局)
「いのちの対話(共著)」(集英社)
「いのちとユーモア(共著)」(集英社)

「元気のでてくる"ことばたち"」
(近代文芸社)
1,500円(税別)
おなじの腕まくり「おやじの腕まくり」
(JULA出版局)
1,400円(税別)
「言えなかったありがとう」
好評発売中

■イネ・セイミプロフィール
フルート奏者として活躍中。俳画家。
絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。

* 俳画教室開講中
 ところ:常滑屋
 と き:月2回 第2、4金曜日 午後1時〜3時
 会 費:1回 2,250円(3ヶ月分前納制)
 問合せ:0569−35−0470

イネ・セイミ

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《フルート奏者 指導歴30年》
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