海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
元気のでてくることばたち 村上信夫NHKアナウンサー

 初対面で、こういう出会いがあるんだと驚いた。顔を合わせた一分後には意気投合して、長年の知己のように、仲良く並んでカメラに収まっていた。話し込んでみてわかった。考え方、生き方に共通項がいっぱいあった。ただ1点を除いて。

ダンスは曲線 生き方は直線

 「カーヴィーダンス」で大ブレイク中の樫木裕実さん。ダンスやフィットネスなどさまざまなノウハウを取り入れた樫木式メソッドならびに「カーヴィーダンス」を考案し、トップアスリートの指導やリハビリなど幅広い分野で活躍している。
 引き締まった磨き上げたスタイル、肌のツヤ。まずもって、50歳とは思えない若々しさに驚く。それを指摘すると「太ったりやせたりしているんですよ。私の体型って膨らんだりしぼんだりする風船みたいなんです(笑)。ただし気にしているのは体重ではなく、ボディラインだけ。体重が何キロあるのかもわかりません。食べてゴロゴロしているのが好きなので、無頓着なところもあります」と飛び切りの笑顔で語る。
 小さい頃から体が硬くて不器用だった。小柄なので習いに行ったバレエの先生にも相手にされないほどだった。それがずっとコンプレックスになっていたが、あるときディスコで踊ったら体の中からわき出るような快感があった。短大卒業後はロンドンにダンス留学した。不器用ゆえに、どんな人にもできる独自のトレーニング法を編み出せたという。もともと体が柔らかく、踊りも得意で器用だったら、今の樫木裕実は存在しなかったかもしれない。体が硬い人や不器用な人の気持ちも理解できるから、逆によかったようだ。
 「私はケガも多かったので人の体の痛みがわかるし、そうやって遠回りしたからこそ、すべての経験が今につながったと実感しています」

 ブレイクしたのは3年前だが、フィットネスの世界では30年近いキャリアがある。長年、ダンスユニットのリーダーとして活躍し、同時にフィットネスの世界や整形外科でトレーニング指導に携わってきた。
 初めのうちは、自分のためにやっていたが、あるときから「この人の体を変えたい!」という思いが強くなった。その人が本当に変わったときの喜びがものすごく大きくて、それが現役のダンサーをやめるきっかけになった。
 人の喜ぶ顔を見ると自分も嬉しくなるという気持ちには、共感する。私も、学生対象の「ことば磨き塾」で、同じような気持ちを味わった。学生同士で互いに褒めたり褒められたりする発表をしてもらったところ、最初は無表情だった彼らが次第に笑顔になっていった。学生たちが変わっていく様子を見ながら幸せな気持ちになった。

 樫木さんは重ねて言う。「人の喜ぶ顔が自分のエネルギーになっていて、もっとお役に立ちたいという使命感がメラメラとわいてきます。心と体はつながっていると、つくづく実感します」
 トレーナーの世界では型破りといわれて、なかなか認められなかった。よく心が萎えなかったと思う。「それは、自分の中にゆるぎない自信があったからだと思います。というのは、私自身の体がマニュアル通りのトレーニングをやってもしっくりこなくて、体感を意識したダンスを取り入れ、いろいろな方法でアプローチしてみたら効果が現われたんです。トレーナーからは、それはダンサーのやることだと否定されましたが、私だけでなくみんなの体が良くなっていくのをこの目で見て、自分のやり方はやはり正しいと確信しました」。たとえ自分がこうだと思っていても、人に批判されると流されてしまいがちだが、樫木さんはけっしてゆらぐことがなかった。メソッドは曲線的な動きなのに、生き方はストレート、一直線まっしぐらだ。

愛についての異論

 両親がとにかく明るく前向きな人だった。一緒に暮らしていた頃、外で嫌なことがあっても、家に帰るとごく自然にリセットできたという。
 樫木さんの生き方の根底には、両親の力が大きく働いている。「父と母の存在は、自分を軌道修正するうえでの原点になっています。私がコンプレックスを抱かないように、目に見えないところでも心を砕いてくれました。性格をよくわかっていて、上手に育ててくれたんです」
 離婚して、改めて一人暮らしを始めた頃、母から「強い心の楽観主義で」という応援メッセージの書かれたはがきが届いた。「良いほうに良いほうに、明るいほうに明るいほうに、何があっても楽しんで」と書かれていた。今でも何か悩みごとがあると、そのはがきを取り出して読んで、気持ちを切り替えている。

 最後に、結婚や恋愛はあきらめてしまったのか問いただした。
 「今は仕事のほうが楽しくて(笑)。昔は恋愛なしには生きていられなかった私が、これほどまでに恋愛に興味を失うとは思ってもいませんでした。みんなにも恋愛していたほうがきれいになってフェロモンを保てるよって勧めていたのに(笑)。今は恋愛より、たくさんの人を幸せにしたいという人間愛≠フほうにシフトしてしまいました。」と飛び切りの笑顔で答える樫木さんに「恋愛はまた別物でしょう!人間愛もいいけど、恋愛とうまくギアチェンジ出来ないなあ」と食い下がった。
 そうしたら、「人間愛の話をして異を唱えたのは村上さんだけですよ」と、また笑われた。そんな小さな食い違いすらも心弾む出会いだった。

■村上信夫プロフィール
NHKチーフアナウンサー
1953年、京都生まれ。
明治学院大学卒業後、
1977年、NHKに入局。
富山、山口、名古屋、東京、大阪に勤務。
現在は、「今日も元気で!わくわくラジオ」(ラジオ第一8:35〜)、
「BS将棋中継」などを担当。
これまで、「おはよう日本」「ニュース7」「育児カレンダー」などを担当。
教育や育児に関する問題に関心を持ち続け、横浜市で父親たちの社会活動グループ
「おやじの腕まくり」を結成。
趣味は、将棋。
著書に「元気のでてくることばたち!」(近代文芸社)
「おやじの腕まくり」(JULA出版局)
「いのちの対話(共著)」(集英社)
「いのちとユーモア(共著)」(集英社)

「元気のでてくる"ことばたち"」
(近代文芸社)
1,500円(税別)
おなじの腕まくり「おやじの腕まくり」
(JULA出版局)
1,400円(税別)
「言えなかったありがとう」
好評発売中

■イネ・セイミプロフィール
フルート奏者として活躍中。俳画家。
絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。

* 俳画教室開講中
 ところ:常滑屋
 と き:月2回 第2、4金曜日 午後1時〜3時
 会 費:1回 2,250円(3ヶ月分前納制)
 問合せ:0569−35−0470

イネ・セイミ

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 講師 イネ・セイミ
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