海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
元気のでてくることばたち 村上信夫NHKアナウンサー

 柿沢安耶さんは、日本で初めてと言われる野菜スイーツ専門店のオーナーシェフだ。旬の有機野菜で作るスイーツが、ヘルシー志向の女性たちの心をひきつけている。
 柿沢さんと初めて話した時、その声に魅力を感じた。芯のある声、揺るぎない意志の感じられる声、安心出来る声なのだ。32歳とは思えぬ落ち着いた声なのだ。声は人なり。

野菜畑のようなお店
 東京・中目黒にある柿沢さんの店のショーケースは、旬の野菜を使ったケーキで実にカラフルで、まるで野菜畑のようだ。遠目に、イチゴのショートケーキかと思ったら、トマトのショートケーキだった。グリーンのスポンジは、小松菜が練りこんである。ほかにも、ゴボウのショコラ、カボチャのシフォンケーキ・・・どれにしようか迷う。
 野菜は、スイーツに向いているそうだ。食材としても面白い。野菜は種類が多く、カラフルだ。調理方法もいろいろだ。焼くもよし、蒸すもよし、ゆでるもよし、ソテーにしても、オーブン焼きにしてもよい。千切り、みじん切り、輪切り・・・切り方一つで表情も変わる。切り方や調理法によって、味・香り・色の変化を試す。
 トマト、カボチャ、紫イモ、ニンジンなどはそのまま野菜が主役になる。大根、長ネギ、ハクサイ、ゴボウなどはほかの素材の力を借りる。一般的に洋菓子だと着色料で色を出すが、野菜なら、枝豆の薄い緑、ルッコラの濃い緑・・・いろんな緑が出せる。手を加えて美味しいものを作るケーキの世界にすごく向いている。野菜の持っている味や色を、ケーキにそのまま出せるようにしつつ、食べておいしく栄養も取れるお得なスイーツを目指している。
 「すべて、旬の有機野菜を使うので手間はかかるが、どういう種類を組み合わせるか考えるのが楽しい。おいしい野菜ケーキを食べて幸せになってもらいたい」。

パティシエへの道
 1977年の東京生まれ。子どものころはぜんそく、アトピーなどで病気がちだった。母の手作り玄米菜食で、健康になっていった。だから、食には関心があった。
 ブタが主人公の絵本「どろんこぶた」が大好きだった。ブタを飼って、それが仕事になればいいなと、ブタをペットにする暮らしを夢見ていた。そのうちブタが探して収穫するトリュフというキノコを知り、フランス料理や文化に興味を持った。

 学習院大学仏文科に入る。フランスに料理留学しようとフレンチ、ケーキ屋、和食店と、アルバイトを3つかけ持ちする。客と接してすごく楽しく、元気になった。料理人への夢が膨らんだ。
 パリの料理学校に1カ月留学を2回した。動物好きな柿沢さんにとって、臓物などを処理する下ごしらえがどうしても好きになれなかった。大量のバター、油で高カロリーの料理にも疑問を持った。フランス料理に向いてないと実感した。
 大学を出て半年間、洋菓子店で働いた。ここでも、大量の砂糖やバター、添加物の多さにびっくりした。もっと身体に負荷のかからないものは出来ないものか。食材にこだわった元気が出るレストランを開きたいという気持ちが強まった。
 調理師の資格を取るため、青山のカフェで働いた。アパレル大手の飲食事業部門。カフェの立ち上げから参画した。食材の仕入れ、メニュー考案、アルバイト採用・・・経営のノウハウをここで学んだ。
 伝統的な調理方法を大切にすることをテーマに農家を回った。はじめて有機農業と直面し、素材の良さは料理に直接出ると、実感した。
 26歳の時、夫の実家のある宇都宮市で、 地元の有機野菜を使い肉、魚を全く使わないレストランを開店した。「珍しいどこにもない」バースデーケーキの注文を受けて試作したのが、小松菜のグリーンショートケーキ。野菜スイーツの可能性を見た。
 ゆくゆくは東京に店を出したいと考えていたが、有機レストランはすでにある。野菜スイーツの専門店にして特色を出そうと考えた。
 2006年4月、野菜スイーツ専門店『ポタジェ』が開店した。フランス語で「家庭菜園」のことだ。

農家の応援団
 ケーキ作りを通して農家を支援したいと思っている。
 有機農家を紹介するフリーペーパーを発行している。客と有機農家を訪ね、採れたての野菜でお菓子を作るツアーも実施した。有機農法は厳しい管理が必要だ。規格に合わず捨てられる野菜も多い。生産現場を知ることで、有機野菜の価値がわかる。全国各地の農業イベントや料理教室に積極的に出かけている。
 いろいろなオーガニック体験のできる総合的な施設を作りたいという夢がある。野菜を作ったり、オーガニックレストランやパティスリーがあったり、オーガニックな美容室があったり、エステがあったり・・・。そこに行くだけで「身体が浄化された」と感じられる体験ができるところを作りたい。
 でもね、柿沢さん、あなたと話した人は、それだけで、みんな浄化されたような気になるって知ってますか?

■村上信夫プロフィール
NHKチーフアナウンサー
1953年、京都生まれ。
明治学院大学卒業後、
1977年、NHKに入局。
富山、山口、名古屋、東京、大阪に勤務。
現在は、「今日も元気で!わくわくラジオ」(ラジオ第一8:35〜)、
「BS将棋中継」などを担当。
これまで、「おはよう日本」「ニュース7」「育児カレンダー」などを担当。
教育や育児に関する問題に関心を持ち続け、横浜市で父親たちの社会活動グループ
「おやじの腕まくり」を結成。
趣味は、将棋。
著書に「元気のでてくることばたち!」(近代文芸社)
「おやじの腕まくり」(JULA出版局)
「いのちの対話(共著)」(集英社)
「いのちとユーモア(共著)」(集英社)

「元気のでてくる"ことばたち"」
(近代文芸社)
1,500円(税別)
おなじの腕まくり「おやじの腕まくり」
(JULA出版局)
1,400円(税別)
「言えなかったありがとう」
好評発売中

■イネ・セイミプロフィール
フルート奏者として活躍中。俳画家。
絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。

* 俳画教室開講中
 ところ:常滑屋
 と き:月1回 第2金曜日 午後1時〜
 会 費:1回 2,500円(4ヶ月分前納制)
 問合せ:0563−32−0583

イネ・セイミ

 堀江実のポエムコンサートをCDでお届けします。

  詩と朗読
  フルート
  ピアノ
  構 成

  Disk1
  Disk2
 堀江実
 イネ・セイミ
 はちまん正人
 佐藤よりこ

 光のように
 花のように

 言霊に癒されるCD堀江実のポエムガーデン
 やさしい風がふいています。
 木々の梢は光っています。
 あなたの心がやすらぎで満たされますように。
 あなたの心に喜びがあふれますように。

2003年10月22日発売 CD2枚組 3,150円(税込み)