海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
 常滑海上保安署は中部国際空港の開港に向けて新設された保安署で、昨年4月に対岸で仮事務所を借りて業務を開始し、空港島への連絡鉄道や連絡道路が開通した今年1月末に空港島の新事務所へ移転しました。ちなみに保安署の新設は38年ぶりのことです。
 ところで、不審船への対応や、昨年公開された映画「海猿」などで海上保安庁の名前や一部の仕事はご存知でも、具体的な仕事についてはよくわからないとおっしゃる方が多いのではないでしょうか。
海上保安庁の組織

 海上保安庁は、日本の周辺海域で密航や密輸などの悪質な犯罪が多発していた終戦後の昭和23年に、海上保安を一元的に管理する機関が必要となり創設されました。ただし、当時の日本の主要港湾には戦時中に投棄された機雷が多数残っていましたので、この機雷除去が重要な業務であり当時は大変だったようです。
 海上保安庁の職員数は12300人で、巡視船艇514隻(巡視船、巡視艇、特殊警備救難艇、測量船、設標船、灯台見回り船など)、航空機75機(飛行機、ヘリコプター)が配備されています。陸上組織は、東京に本庁があり、全国を11の海上保安管区に分けて、それぞれの管区には本部があり、愛知県、三重県は第四管区海上保安本部の管轄となっています。さらにその下に、海上保安部、海上保安署、航空基地、海上交通センター、航路標識事務所などを配置しています。
 常滑海上保安署は衣浦海上保安署や蒲郡海上保安署と同じく名古屋海上保安部の下部組織で、巡視艇「しらゆり」と9名の職員で対応しています。

海上保安庁の仕事

 仕事を簡単に表現して、海の警察、消防、海図作成、灯台建設などといいますが、海を舞台に治安の維持、海上交通の安全確保、海難救助、海上防災・海洋環境保全、国内外機関との連携・強力を5つの使命として、「海の危機管理」を仕事としています。それぞれの使命について簡単にご紹介します。

治安の維持

治安の維持で思い浮かぶのはテロへの対応ですが、ニューヨークでの同時多発テロ以来、主要港湾や国際空港では関係機関の連携を強化して、水際対策の充実に取り組んでいます。また、国際的なテロへの対応だけではなく、覚せい剤や拳銃などの密輸、密入国の取締りなど海上におけるあらゆる犯罪捜査を行っています。

海上交通の安全確保

 伊勢湾をはじめ船舶がふくそうする海域では、船舶が安全に航行するために綿密な安全対策、正確な海の情報提供、的確な航路標識の設置などを行い、その中で安全性と効率性を両立させた船舶の交通環境を目指しています。
 プレジャーボートで空港島周辺への釣りなどに行かれる方は、フェリー、アクセス船、タンカー、漁船などが付近海域を頻繁に往来していますので、厳重な見張りと安全航行をお願いします。大型船や高速船の航路付近、漁具が設置してある海域、漁船が集まって漁をしている海域へは近寄らないようにして、安全にレジャーを楽しんでください。

海難救助

 海難救助は緊急を要することから、巡視船艇や航空機を24時間体制で配備しています。
 もしも海中に転落した場合に備えて、ライフジャケットの着用・携帯電話の携行(防水バック利用)・118番(事件・事故の緊急番号)の活用により、大切な命を救えるように機会あるごとにキャンペーンを継続しています。
 マリンレジャーを楽しまれる方は、出航前の点検と海域の安全情報や気象情報に十分気をつけて無理をせずに、そしてライフジャケットの常時着用をお願いします。

海上防災・海洋環境保全

 地震や津波で陸路が寸断されたときの海上からの救助・支援活動や、大規模な油流出事故などの被害の局限化に24時間体制で対応しています。また、小学生と一緒に海岸の漂着ゴミ調査や環境教室などを通じて、子どもたちに海をきれいにする気持ちを持ってもらうための活動も行っています。

国内外機関との連携・協力

 国際的な海上犯罪や、広域な捜索救助活動など幅広い分野にわたる海上保安業務を的確に行うために、国内外の関係機関と連携・協力を進めています。海外研修員の受け入れや専門家の派遣なども行っています。常滑でも地元の警察・消防など関係行政機関と連携・協力して業務を進めています。

私の海上保安庁生活

 私は九州の熊本出身ですが、最初の勤務地は福岡の巡視船艇に約3年間勤務し、次は領海警備の最前線ともいえる対馬海峡を望む対馬海上保安部(当時は厳原海上保安部)の巡視艇に勤務しました。当時の対馬周辺は外国漁船による不法操業が盛んで領海警備に忙しいところでした。それから全国転勤となり、鳥羽、東京、長崎、横浜、東京、串木野(鹿児島県)と2年から3年ごとに陸上勤務や船艇勤務をしながら家族と引越しを繰り返しました。子どもが高校、大学となることで、5年前から単身で名古屋へ来て、管区本部と名古屋海上保安部を経て、昨年から常滑海上保安署で勤務をしています。
 宿舎の関係で名古屋市から武豊町に転居しましたが、知多も生活しやすい所です。休日を利用して知多の町並みを歩きたいと思っています。
 ところで全国転勤の話をしましたが、職員全員が全国転勤というわけではなく、一定の地域だけで異動する職員もいます。やる気のある若い人たちに、もっと海上保安官を目指してもらいたいと願っています。

「海上保安庁ホームページ」
http://www.kaiho.mlit.go.jp/